盛岡市の住宅街に突如出現した個人ギャラリーが、美術関係者の間でちょっとした話題になっている。
その名は「ギャラリー oeufs たまご」(盛岡市松園1、TEL 019-663-0811)。これまでニューヨークで絵本を出版したり、パリで個展を開くなど、多彩な活動を見せる児童画家の「えいこ いのうえ」さんが、夫の退職を機に自宅の敷地内にギャラリーを新築した。「oeufs(ウフ)」はフランス語で「卵」の意。
建物は夫で一級建築士の小原和博さんが設計。広さは25平米ながら、天井の高さは約5メートル、白壁の上部から自然光を室内に回す工夫など、岩手県立美術館の設立にも関わったノウハウを生かした。作品をつり下げる設備や照明など、アートギャラリーとしての機能も十分だ。
同ギャラリーでは企画展やレンタルギャラリーのほか、主に子どもを対象とした造形教育の教室を開く。レンタルギャラリーの料金は1週間で3万円。これに作品販売価格の20%がマージンとして加わる。出品は要審査。
住宅街のこの不思議なギャラリーが盛岡の作家の間で、この夏話題になっていた。画廊やギャラリーが減る中で、岩手県内で活動する作家からは「不思議なところにある不思議なギャラリーらしい」「新たに『使える』展示スペースができたのは貴重」などとうわさがうわさを呼んだ。公共の展示スペースが増える中、設備に物足りなさを感じていた作家からは、密かな期待も寄せられている。
オープンは今年の7月12日。こけら落としでは、パリでの個展を通じて知り合った帽子デザイナーの大谷有未さん(埼玉県在住)の作品展を行い、現在はいのうえさん自身の絵画とドローイングの個展を開催する。
営業時間は11時~18時。月曜休廊。
次回企画展は、9月6日から「中村工房 博行さんのコレクション展」。
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