野良猫の保護や里親探しなどの活動を行う「NPO法人もりねこ」が現在、病気や障がいなどのハンディを持つ猫を保護するシェルターを開設するための資金調達に挑戦している。
同法人は「猫も人も幸せに」というメッセージを掲げ、里親募集型の保護猫カフェ「もりねこ」(盛岡市菜園2)で野良猫や捨て猫などを引き取り、新しい飼い主を探す取り組みを行っている。
FIV(猫エイズウイルス)やFeLV(猫白血病)などの感染症を持った猫は、保健所で保護されても譲渡不可能という理由で殺処分の対象となってしまう。加えて、生まれつき手足が欠損しているなど障がいを抱えた猫の譲渡も難しい。そうした状況から同法人は、ハンディを持つ猫たちを保護する場所を作ることを以前より考えていたが、現在もカフェで数多くの猫を預かっているため予算の負担が大きいことや、場所の問題などがあり実現が難しい状況にあった。そこで今回、クラウドファンディングを通して出資を募ることを決めた。
シェルターはカフェが入居しているビルの5階に開設予定。施設内は個室を作り、猫の状態に合わせたケアができるスペースを確保する。猫のエイズや白血病は人間にうつることがないため、見学や触れ合いができるスペースを整備し、新しい家族への譲渡活動も行っていく。
10月21日からクラウドファンディングサービス「READYFOR?」で支援を呼び掛けたところ、1週間ほどで当初の目標金額150万円が集まった。同法人代表の工藤幸枝さんは「驚きとともに、喜びと感謝の気持ちでいっぱいになった。たくさんの人が保護猫たちの現状に問題意識を持って、思いを寄せてくれていることを改めて感じた」と話す。
その後、最終目標金額に300万円を設定し、引き続き資金を集めている。集まった資金はシェルター開設のための内装工事費や家具家電代、猫の保護費用や医療費などに充てる。支援金額は1口3,200円~22万2,000円。オリジナルグッズなどの特典が付くコースのほか、返礼がメールのみで支援金が全てプロジェクトのために使われるコースを用意する。
工藤さんは「猫たちを取り巻く環境も変わり、何とかしたいと考えてくれる人も増えてきている。1匹でも多くの命を助けて幸せにしたい」と支援を呼び掛ける。
シェルターは11月下旬に開設予定。本格的な活動開始は来年から。クラウドファンディングの締め切りは12月20日まで。