プラザおでって(盛岡市中ノ橋通1)の「おでってホール」で6月4日、映画「ニッポンの、みせものやさん」の上映会が行われる。
「見せ物小屋」は観客の好奇をそそり、驚かせるような珍品や奇獣、曲芸などを見せる小屋のこと。全盛期の江戸時代には全国に300軒もあったが、次第に数が減り、2010年以降には1軒となった。同作品は、日本で最後の見せ物小屋一座と呼ばれた「大寅(おおとら)興行社」に10年間密着したドキュメンタリー映画。現在は「大寅興行社」も公演を行っておらず、その様子を見ることができる唯一の映画になったという。2013年に公開して以来、全国各地で自主上映会が行われている。
同会を主催する村上巨樹さんは東京で同作品を見て感銘を受け、岩手でも上映したいと考えたという。村上さんは「放浪芸や落語など、古くからある演芸文化に興味があり、好きだったことも作品を見るきっかけだった。自分もバンドを組んで音楽をやっているので、そういった活動と見せ物小屋は、自分の芸でお金を得るという部分で通じるものを感じた」と話す。
今回の上映会は県内3カ所を巡回する「岩手巡業上映」。5月28日に花巻市での上映を皮切りに、29日に奥州市、6月4日に盛岡で開催する。盛岡では15時、17時、19時の3回上映となる。
約30年前までは県内のお祭りなどでも見せ物小屋があり、当時を知る人からは「懐かしい」という声も聞こえているという。村上さんは「見せ物小屋はもう見ることができない。知っている人には懐かしく、知らない世代にも楽しんでもらえる内容。日本の古い文化や歴史が消えていく中で、それが本当に良いことなのか考えるきっかけになれば」と呼び掛ける。
14時30分開場。料金は当日券のみ1,500円。県内各所の上映会についてはホームページで確認できる。