岩手県立美術館(盛岡市本宮字松幅、TEL 019-658-1711)で開催中の「生誕100年 レイモン・サヴィニャック展 パリのポスター描き」で8月11日、気鋭のコピーライターによる記念トークイベントが行われた。会場には約50人のアートファンが訪れた。
「コピーライターが語るサヴィニャックの『コトバ』」と題して開かれた同イベントでは、2年前にサントリーミュージアムでサヴィニャック展が開かれた際に、図録の執筆を手がけたコピーライターの村上美香さんがゲストスピーカーとして招かれた。「専門家ではない」という立場から、サヴィニャックの横顔と作品について解説。、サヴィニャックが活動の中心としていた広告とアートの世界、作品の舞台となったフランスの街についてスライドを交えながら講演を行った。
トークショーの中で村上さんは「サヴィニャックの絵は『元気が出る』作品が多い。図録を作るために彼の住んだパリやツゥールーズを訪れて感じたことは、サヴィニャックの独特の色使いが、実はフランスの町のあちこちにあふれているということ。広告であれポスターが額縁に入れられるなど、きちんとしたアートとして扱われていることを実感した」と話した。
村上さんは最近のポスター広告についても言及。「最近のポスターは文字情報が多すぎる。サヴィニャックのポスターのように、100メートル先から見ても分かるポスターは今はほとんど見られなくなった。彼の作品を通じて、自分も同じ業界に生きる者として学ぶことが多い」とも。
開催時間は10時〜19時。観覧料は、大人=800円、大学・高校生=500円、小中学生=300円。9月24日まで。