盛岡に流れる中津川で毎年行われている「さけの赤ちゃん放流会」が3月16日に行われ、子どもたちの手によって約1万匹の稚魚が放流された。
中津川は盛岡市内中心を流れる河川で、秋にはサケが戻り産卵する光景が見られる。この光景を守ろうと盛岡本町振興会主催で毎年行われており、今年で19回目を数える。参加した親子は約200人。参加した子どもたちには記念品として南部鉄器で制作された「里親メダル」が渡された。
震災で被害を受けた宮古市の津軽石ふ化場から卵を譲り受け、仁王小学校、杜陵小学校、盛岡幼稚園、桜幼稚園など市内11カ所に水槽を設置。卵から稚魚を育てた数百匹と盛岡市簗川のふ化場で成長した1万匹を放流。放流されたサケの稚魚は北上川へ流れて海で成長し、4年後、産卵のために中津川へと戻ってくる。
実行委員長の松本静殻さんは「サケの赤ちゃんが大きくなってお父さんお母さんになって戻ってくるまできれいな川にして守って行きたい。サケの赤ちゃんをやさしく放流してほしい」と子どもたちに向けて話した。
仁王小学校5年生の関裕太くんが「今年もサケの赤ちゃんを育てた。毎年秋にはサケの赤ちゃんが大人になってこの中津川に戻ってくる。その力強い姿を見て感激した。いってらっしゃい、サケの赤ちゃん、4年後にまた中津川に戻ってきて」と送る言葉を述べた。雨の降る中、色とりどりの雨具を着た子どもたちが透明のコップにさけの稚魚を入れてもらうと、大事そうに川まで運び、「4年後に、また戻ってきてね」と放流していた。