河合塾グループの学校法人河合塾学園(本部:愛知県名古屋市、理事長:河合英樹)は、2027年4月、岩手県一関市に「ドルトンX学園高等学校」を開校します*。本校はドルトン東京学園(東京都調布市)の姉妹校として設立され、「国内外の地域拠点に滞在しての探究学習とオンラインの学び」を実現する、日本初の通信制高校となります。
*岩手県に設置認可申請中

■設立の背景~圧倒的な「探究」と「挑戦」でドルトン東京学園のチャレンジを加速する~
河合塾グループは1933年の創立以来、「汝自らを求めよ」の塾訓のもと、幼児から社会人まで幅広い領域で社会に貢献する人材の育成に取り組んでいます。一方で、情報化やグローバル化など社会の変革に伴い、大学進学後の学びや、卒業後の社会での活躍のあり方も変化しています。これらの変化を先取りし、これからの社会でも自分の人生を主体的に切り拓ける人材育成をどのように行っていくか、河合塾グループとして常に問い続けてまいりました。
その実践のひとつが、2019年に開校したドルトン東京学園(東京都調布市)です。「自由」と「協働」に基づくドルトンプランを実践する中高一貫校で、2025年春に一期生の卒業を迎えました。

ドルトン東京学園は、探究学習を中心としたラボ、学びの地図となるアサインメント、6学年縦割りのハウスを特色とした「学習者中心」の教育を実践
一期生の6年の学びで得られた大きな成果は、同校が重視する非認知能力の伸長です。入学当初は全国平均レベルであった非認知能力が高3時には平均を大きく上回るまでに成長。要因を分析したところ、トリガーとなったのは、相手と対話し深いレベルで相手の気持ちを尊重する「共感・傾聴力」でした。この「共感・傾聴力」の成長には「地球市民性」や「失敗から学ぶ力」の成長が影響していることも分かりました。

ドルトン東京学園1期生の非認知能力は大きく伸長
これは、ドルトン東京学園が実践する、教室から飛び出し、現地で五感を使って本質に向き合う「探究」や、実践を繰り返して失敗から学ぶ「挑戦」が実を結んでいることを表しています。言い換えると、この「探究」と「挑戦」が、これからの社会に求められる人材の育成で重要な要素になることを示唆しています。
これらの示唆を踏まえ、ドルトン東京学園のチャレンジを加速し、「探究」と「挑戦」の経験密度を最大限に高めた「学校の内と外、国内と海外、学校と地域社会という境界を越え、社会と世界につながる新たな学校を設立する」という結論に至りました。
この新たな学校が、ドルトンX学園高等学校です。
■ドルトンX学園高等学校の特長~米国ミネルバ大学を参考とした地域拠点学習~<めざす学生像:「自らの足で探究し、破天荒に出会い、フロンティアを共創する」姿>

この学生像を実現するために、ドルトンX学園は米国ミネルバ大学の教育モデルを参考にしました。
4年間で世界7都市に移り住みながら実践的・探究的に学ぶミネルバ大学の教育モデルと同様に、ドルトンX学園は高品質なオンライン学習と地域拠点での学習を組み合わせます。とりわけ、地域拠点に滞在しての学びは、現地現場だからこそ味わえる、五感を活用した新たな「探究」と「挑戦」を実現するものです。

最大の特色である地域における探究学習は、高校2年次に行います。3カ月単位で最大4カ所の国内外の拠点に滞在。午前はオンラインで教科学習を、午後は地域に出てフィールドワークや探究活動に取り組みます。
1年次と3年次は、一関市の本校と河合塾グループが連携協定を結んでいるNTT東日本株式会社が運営する、調布市のNTT中央研修センタに半年ずつ滞在します。1年次は探究準備や思考力、表現力、生活力の育成を、3年次は探究活動のまとめや進路準備を行います。NTT研修センタ滞在時は、同センタ内にある実証フィールド「NTT e-City Labo」での先端テクノロジーに関する学びも予定しています。

地域拠点図(第1弾発表分)。上記国内拠点に加え海外拠点にマレーシア・インド・エストニア・イギリスを検討中
ドルトンX学園高等学校が求める志願者は、「好奇心モンスター」な生徒です。
好奇心をもって既に行動を始めている人も、まだ心の内に秘めている人も「探究する、解決する、協働すること」に興味をもつさまざまな生徒が集まり、3年間の学びの中で、世界を変える”変数“となる生徒に育つことを期待しています。
【設置法人:学校法人河合塾学園 理事長 河合英樹からのメッセージ】
河合塾グループはこれまで、自らを求め学びつづける人々を多様な形で支援してきました。社会の急速な変化により求められる人材像が一段と多様化する中、私たちは“自らの人生を主体的に切り拓く人を育む”という変わらぬ思いを大切にし、その実現に向けてドルトンX学園において新たな挑戦を進めていきます。
【校名に込めた思い】

「ドルトンX学園」にある「X」は、変数を意味し、3年間の学びのフィールドが1つにとどまらないことを示しています。
Xが変わるとYが変わる関数のように、「どこへでも飛び出し、無限に成長していく」学びを提供していく思いを込めて
ドルトンX学園高等学校と名付けました。
■ドルトンX学園高等学校 概要
設置者 学校法人 河合塾学園 (本部:愛知県名古屋市)
学校名 ドルトンX学園高等学校
課程 単位制・通信制課程(広域)
学科 普通科
本校所在地 岩手県一関市花泉町(はないずみちょう)油島(ゆしま)上築道(かみちくみち)34番地1
定員 450名(1学年150名×3学年)
学校Webサイト https://www.daltonx.ed.jp/

本校予定地(旧一関市立油島小学校を改装して使用)
[今後の予定]
2025年12月 学校HP公開(イベント・説明会を順次実施)
2026年 9月 岩手県私立学校審議会(認可審議)
2026年10月~ 生徒募集開始(出願・入試)
2027年 4月 開校
【本校所在地(岩手県一関市)への思い】
第一の理由として、岩手県には多くの魅力と地域探究テーマが存在することです。たとえば東日本大震災からの復興に向けた産業の創出や、地熱発電をはじめとする自然エネルギーへの取り組み。世界的なスキー場や温泉、歴史、食生活といった文化面の魅力などが挙げられます。一方で、先進国に共通する人口減少問題など喫緊性の高い地域課題も存在し、さまざまな角度から探究のテーマを得ることができます。
もう一つの理由として、構想当初からパートナーとして連携を深めてきたNTT東日本株式会社様が、一関市をはじめとする県内の各自治体とさまざまな取り組みを進められており、このご縁をもとに、新たな学びのモデルの紹介に後押しをいただけたことも大きな理由です。
■地域・企業連携パートナー様からのメッセージ
12月10日(水)に行われた記者発表会でいただきました地域・企業連携パートナー様からのメッセージです。
【NTT東日本株式会社 代表取締役社長 澁谷 直樹 様】
社会のリアルな現場こそが、最高の学び舎であると確信しています。次世代を担う子どもたちが地域に飛び込み、探究し、挑戦するドルトンX学園での学びのあり方は、私たちが目指すソーシャルイノベーションの原点そのものです。NTT東日本グループは、「地域の未来を支えるソーシャルイノベーション企業」として、皆さんの挑戦を全力で後押しします。
【岩手県一関市 市長 佐藤 善仁 様】
ドルトンX学園高等学校の圧倒的な「探究」と「挑戦」は、一関市がめざす「学びで可能性を広げるまち」を力強く後押しする取り組みだと考えています。市としても地域の課題を生徒の皆さんと一緒に考え、未来へ向けて協働できることを楽しみにしています。
【Minerva University City Director, Tokyo Jennifer Butler 様】
日本で、私たちのめざす教育理念と志を共にする新たな挑戦が始まることを大変嬉しく思います。岩手県釜石市での本校プロジェクトにドルトン東京学園生が協働したように、今後もさまざまな形で連携を一層深められることを楽しみにしています。
【株式会社Next IWATE 代表取締役CEO 上野 裕太郎 様】
教育は、学校と地域が境界を越えて共に育てる時代に入っています。河合塾様との連携を通じ、若者が地域のリアルな課題に向き合いながら学び、挑戦し、成長できる“実践的な学びの場”を一関から創り上げたいと考えています。地域で学び、地域を変え、未来を自ら切り拓く人材を育むモデルを構築してまいります。