岩手の山々を撮り続ける山岳写真家・多賀谷真吾さんの個展「ふるさとの山にむかひて-岩手の山岳風景-」が現在、岩手山の中腹にある網張ビジターセンター(雫石町長山小松倉、TEL 019-693-3777)で行われている。
同展では、多賀谷さんが岩手の山や自然風景をテーマに撮りためた約4,000カットの中から、山や雲海、池沼、紅葉や高原の風景など岩手山と八幡平で撮影した作品11点をパネル展示する。
兵庫県出身の多賀谷さんは数年前、ネイチャースキーをするために八幡平に訪れて以来、すっかり岩手の山々にほれ込み、これまでに100回近く関西と岩手を往復しながら中盤カメラで写真を撮り続けてきた。本職は大学の非常勤講師で近畿大学や神戸大学などで専門の英文学を教えている。
岩手の山の魅力について多賀谷さんは「『人間と山が対峙(たいじ)』している北海道や信州とは違い『人間と山が共存』しているところにある。それでいて自然としての奥が深い。このことは宮澤賢治や石川啄木も作品のあちこちからも読み取れる」と話す。
多賀谷さんは今年、念願の盛岡市に住民票を移し、仕事は関西でこなしながら週末ともなると「岩手県民」として「帰省」し、岩手の山々を撮影する。クルマのナンバープレートも岩手山の標高にちなんで「2038」という懲りようだ。
今後の活動については、「北上山系にも魅力を感じている。教科書などでも日本のチベットという言われ方がされているが、本来の北上の山々の魅力はまだまだ伝えられきれてない」と話している。
観覧時間は9時~18時。入場無料。12月28日まで。