アイーナにある岩手県立図書館（盛岡市盛岡駅西通、TEL 019-606-1730）で現在、企画展「読みたくなる遠野物語」が開催されている。

　今年、遠野物語が発行100周年を迎えることから同館が企画した同展。遠野物語が一般に流通した増補版（昭和10年発行）など、関連図書178点を展示。著者の柳田国男、民話の話し手である佐々木喜善のほかに、2人を引き合わせた水野葉舟にも着目し、関連する解説書、評論、専門研究機関による研究書、さらに岩手に伝わる民話や昔話も集めた。

　展示を担当する畠山佐智子さんは「遠野物語は全国的にも知名度はとても高いが、『知っているが読んだことがない』という人も多い。そのような人を対象にキャプションをポップ風にするなど、『読みたくなる』工夫を凝らした」と話す。「少しおどろおどろしい印象もあるが、短編の集まりなので実はとても読みやすい」とも。

　畠山さんはさらに、遠野物語を読みたくなる本として「『遠野物語』を読み解く」（平凡社新書、石井正己著）と「遠野物語へようこそ」（ちくまプリマー新書、三浦佑之・赤坂憲雄著）を挙げる。いずれも貸し出し可。

　館内では、雑誌コーナーで柳田国男を取り上げた雑誌のミニ企画展を実施するほか、視聴覚コーナーで関連するCDやビデオの紹介も行う。

　開館時間は9時～20時。7月25日まで（期間中6月30日は休館）。