原敬記念館(盛岡市本宮字熊堂、TEL 019-636-1192)は10月2日から、隣接する原敬の生家を特別に一般開放している。
原敬の生誕150周年を記念して始まった同企画は、今回で3回目。原敬が15歳で上京するまで暮らした思い出の多い生家の中を見学しながら回ることができる。
同企画は「生家の中で四季巡り」をテーマに、四季ごとに4つの部屋を設け、季節に関する原家の家財道具や生活用品、同館職員が季節折々に撮影した中庭などの風景写真を展示している。「春」をテーマにした女中部屋には、保温のために藁(わら)を編んで作ったカゴ入りのおひつや箱火鉢、「夏」の応接間には、鎌倉腰越の別荘で使用したとされるうちわや蚊帳、「秋」の居間にはたぬきとすすきが描かれた花器、そして「冬」の次の間と端つれの間には丸火鉢や炭つぼなどが並べられる。
生家は原敬の祖父である原直記芳隆が1850年(嘉永3年)に大改築を行ったもので、木造平屋建ての真壁造りで一部が二階建て、かや葺き屋根の寄せ棟造り。現在は大正13年に増築された応接間や、居間、女中部屋などを残し、当時の5分の1の規模に縮減されている。
同記念館の久保田さやか研究員は「『平民宰相』と呼ばれ、日本で最初の政党による政治体制つくった原敬の生家を一般公開するのは、今回のような特別な行事の時だけ。家の中を巡り、原の幼いころの姿に思いをはせながら同時に四季の移ろいを感じてほしい」と話す。
開館時間は9時30分~16時30分。入場料は記念館と合わせて、一般=200円、小中学生=50円。開催は21日まで。