盛岡市都南図書館(盛岡市永井)で現在、東日本大震災資料展が開かれている。
同館では、東日本大震災の記憶を風化させないため、2012(平成24)年から毎年、震災関連資料の展示を続けている。今年は2階の閲覧室、視聴覚資料コーナー、レファレンスルームの3カ所で展開。閲覧室では移動図書館車「わかば号」に載せていた蔵書から、震災に関する資料や防災に関する図書を展示する。
わかば号は一般書と児童書約1600冊を載せ、主に都南地区を巡回している。図書館と移動図書館の書庫は別になっているため、移動図書館の蔵書はなかなか一般の来館者の目には触れづらい。その一方で、読みやすく、手に取りやすい本が多いのが特徴だという。
今回の展示を担当する佐々木結衣さんは普段、移動図書館の業務に携わっている。佐々木さんは「移動図書館の本のラインアップは、図書館内の蔵書とは少し違っていて、こんな本があるんだという驚きもある。わかば号が運んできた震災関連資料をこの機会に皆さんに知ってもらい、移動図書館の取り組みの周知にもつながれば」と話す。
展示する本は66冊で、震災当時の記録や写真集、絵本、被災地の動物園・水族館で飼育していた生き物の図鑑、震災後の復興に関する書籍、防災レシピ集、災害や防災を取り上げた雑誌などが並ぶ。
館内でのみ閲覧可能な資料を収めたレファレンスルームには、震災関連資料コーナーを常時設けているが、今回は直近5年以内に収蔵した新しい資料を紹介。沿岸自治体の記録集や、東北の震災伝承施設をまとめたガイドなどを展示する。視聴覚資料コーナーでは、岩手の沿岸を舞台にしたドラマ「あまちゃん」のDVDや、震災の証言記録、津波の記録などの映像資料が並ぶ。3月14日14時からは震災から半年後の仙台を舞台にした映画「少年と犬」の上映会も行う。
1階エントランスでは、震災直後に始まった復興支援ポスタープロジェクト「復興の狼煙(のろし)」のポスター59枚、2階閲覧室入り口では直近1年間の震災関連新聞記事を展示している。
佐々木さんは「15年がたち、東日本大震災を知らない世代が増えている。当時を経験した人が思い出すことはもちろんだが、知らない世代に伝えて、知ってもらいたいという思いがある。この先で起きるかもしれない『いつか』に備えてもらいたい」と話す。
開館時間は9時~18時(土曜・日曜・祝日は17時まで)。月曜休館。今月15日まで。