南部せんべいをはじめとする菓子の製造・販売を行う「小松製菓」(二戸市)の新工場開設に当たり、盛岡市との立地協定書調印式が2月17日に行われた。
同社は現在、南部せんべいを中心に約150種類の製品を手がけ、二戸の本社工場で製造・販売を行っている。近年は海外に販路を拡大したほか、注文数が増加し、二戸工場だけでは生産が賄えなくなってきたことに加え、二戸市は人口減少傾向にあり人材確保が難しいという点から、新たな場所での工場開設を考えていた。
検討を進める中、盛岡市が製造業や研究開発系企業の集積と地場産業の業務拡張のために向中野道明地区に整備している新産業等用地の情報を得て、同用地を取得し、店舗やカフェなどの観光機能を兼ねた新拠点の開設を決めた。
施設の名称は「まめごろうファクトリー モリーオ」。「まめごろう」はクッキー生地を使った厚焼きタイプのせんべい商品で、同商品を中心に厚焼きタイプせんべい専用工場としての展開を予定。「モリーオ」は宮沢賢治の童話「ポラーノの広場に登場する架空の都市「モリーオ市」にちなみ、盛岡がモデルとされていることから名付けた。
施設は鉄骨2階建て1階部分が店舗、2階部分が南部せんべいミュージアムで、いずれは工場見学機能も設ける。外観や内装にはせんべいをイメージした丸みのあるデザインや、同社のシンボルキャラクターでもある「せんべいを焼くおばあちゃん」の絵を手がけるおおば比呂司の風景画を取り入れる。施設周辺には一般住居もあるため、音や振動が出る設備を室内に配置し、出荷口や搬入口など大型トラックが出入りするエリアを住居域から離れた場所するなど周辺環境対策も行う。
立地協定書調印式には、小松製菓社長の小松豊さんと内館茂盛岡市長のほか関係者が出席。小松さんと内館市長が協定書に署名した。内館市長は「盛岡地域の雇用拡大や産業の活性につながり、観光面の充実としても心強く思う。市としても人材確保や域内事業者とのネットワーク構築などのサポートをしたいと考えている。いずれ、盛岡の土産品も作ってもらいたい」と期待を寄せる。
小松さんは「土地の広さ、交通の便、県庁所在地としての観光面といった点から盛岡を選んだ。県内外・国内外から観光で訪れる皆さんや、地域住民の皆さんなど多くの人が集う場所を作っていきたい。南部せんべいを作るだけではなく、南部せんべいの魅力や可能性を発信できる拠点にもなれば」と話す。
施設は4月から建設を開始。2027年4月30日完成、6月操業開始予定。