盛岡市が取り組む市産材を活用した街中商業活性化事業「YADORIGI project」の成果物報告会が2月4日、「盛岡という星で BASE STATION」(盛岡市菜園1)で行われた。
複数の板を組み合わせて一枚のパネルに仕上げている技術もポイントの一つ
同事業は盛岡市産材の利活用と市内商店街の活性化などを目的に、各商店街の街並みや特徴に沿った小型の家具・道具を製作し、設置するもの。家具や道具が商店街に宿り、根付いていく様子を、宿主の枝や幹に根を張って育つ「ヤドリギ」になぞらえて名付けた。事業には「森林環境譲与税」を活用している。
2025年度は大通商店街と肴町商店街の2カ所で実施。各商店街関係者へのヒアリングや市民アンケート、ワークショップを市内のクリエーティブ事務所「ホームシックデザイン」、家具の設計を一級建築士事務所「NoMaDoS(ノマドス)」、製作を「岩井沢工務所」がそれぞれ担当した。
大通商店街では、子ども連れの家族が安心して楽しめる空間作りを目的に、商店街を歩行者天国にして行うイベント「大通パラダイス」で使えるテーブル「さんかくテーブル」と、子どもたちが遊べるアーチ状の柵「トンネルボード」を製作。2つを自由に組み合わせて配置でき、大人は飲食を楽しみながら、アーチの中で遊ぶ子どもを見守ることができる。
大通商店街協同組合理事長の上田祐樹さんは「話し合いの中で、大通のイベントには意外と子どもたちの姿が多いことが話題になった。大人は子どもを見守り、子どもは退屈せず楽しく遊んで市産材に触れられる、2つの要素を組み合わせた家具になっている。4月の大通パラダイスから設置予定なので楽しみ」と話す。
肴町商店街では、商店街の中に設置されている木製ベンチを生かす形で、既存のベンチに取り付けて使えるテーブル「おさかなベンチテーブル」を製作。「おさかな」という名前は「肴町」から取り、魚の形に見えるデザインで設計した。テーブルには魚の目に見立てたドリンクホルダーがあり、ベンチの仕切りとしても機能し、必要に応じて取り外しも可能。
肴町商店街振興組合理事長の佐々木健二さんは「商店街で買い物してもらうことに加えて、滞在してもらうことが重要。テーブルを使って、肴町でゆっくり楽しむ時間を持ってもらいたい。木製ベンチの設置を進めてきた自分たちの活動にプラスになり、ランクアップした印象を付けてくれた」と話す。
「NoMaDoS」の千葉光さんは「商店街によって課題や要望、利用者の層もそれぞれ違う。一口に商店街と言っても、さまざまなケースがあるんだと改めて学びになった。その商店街に宿り、街に寄り添ってそこにしかない魅力に育っていくと思う。市産材の手触りや工務店の技術も感じてほしい」と話す。