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「占領下の盛岡」展、続編始まる 中間報告に未公開資料や生の証言を加えて

菊池俊司邸の接収について取り上げる4章。ケース内には菊池邸に暮らしていた将校の写真も

菊池俊司邸の接収について取り上げる4章。ケース内には菊池邸に暮らしていた将校の写真も

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 「戦後80年企画展[続編]占領下の盛岡 住宅接収の実態」が現在、もりおか啄木・賢治青春館(盛岡市中ノ橋通1)で開かれている。

ジェレミー・C・ホルムさん提供の写真などが並ぶ一角

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 同展を企画した中島航さんは、高祖父の自宅「旧菊池俊司邸」が太平洋戦争の終戦後に、米軍将校家族の住居として接収されていたことを知り、連合国軍総司令部(GHQ)の占領下で米軍部隊が進駐していた時期の盛岡と盛岡における接収住宅について在野研究者として調査を続けている。昨年9月には「中間報告」と題して、調査の過程で見つかった資料などの展示を行った。

 今回は9月の展示に、新たに分かったことや関係者の証言を加えた「続編」として開催。展示は4章構成で、1章では終戦から占領の始まりについて触れ、2章では占領下の盛岡で暮らしていた人に関する証言や当時の新聞記事などを展示。進駐軍との会話や交流の様子を紹介する。3章は市内における接収に関する内容。住居として接収された民間住宅や、拠点など住宅以外の用途で接収された施設についてまとめ、赤澤多兵衛邸(現・南昌荘)や石井正愛邸(現・旧石井県令邸)など6つの接収住宅の詳細を紹介する。

 4章は「菊池俊司邸の接収と返還 そして現在へ」と題し、旧菊池邸に残された公的文書や証言などを手がかりに、盛岡の接収住宅の実態に迫る。関係者や「菊池邸に入ったことがある」という人の証言のほか、菊池邸に住んでいた将校の顔写真などの資料が並ぶ。

 会場内には米国在住で盛岡に進駐していた部隊を専門に当時の写真・記録の保存と発信を続けるジェレミー・C・ホルムさんから提供を受けた、進駐軍撮影のモノクロ写真も並ぶ。1945~6年頃の中の橋付近を撮影した写真には、大きな星条旗が写っている。

 1月18日に展示が始まり、10代から80代までと広い層が来場している。アンケートを通じ「自分の知らない盛岡を知れた」「前回よりも見やすくなった」「ここまで濃く、丁寧に調査された内容の発表を見る機会はそうそうない」といった声も寄せられている。

 中島さんは「一度に見切れずまた来るという声もある。前回の企画展で得た成果も加え、接収住宅という切り口から占領下の盛岡をリアルに見つめる内容。私たちが暮らす盛岡の歴史を改めて捉え直すきっかけにして」と呼びかける。

 開催時間は10時~17時30分(最終入場は17時閉場30分前、最終日は16時まで閉場)。入場無料。今月28日まで。24日と25日の11時から中島さんによる展示解説を実施。24日にはワークショップ、25日はトークイベントを開催する。開催時間と定員、参加料金はウェブサイトに掲載する。

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