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盛岡市と齋藤興業が災害関連の協定締結 地域ごとの対応力高めて

8日に「elb」で行われた協定締結式の様子

8日に「elb」で行われた協定締結式の様子

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 廃棄物の収集運搬やリサイクルなどを手がける「齋藤興業」(盛岡市北飯岡1)と盛岡市が1月8日、災害時における相互協力に関する協定を締結した。

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 同協定は、地震災害や風水害などの災害が発生、またはその恐れがある場合、市の地域防災計画に基づく応急対策として、同社が保有する施設を「elb(エルブ)」を避難場所として提供するとともに、避難者への水と備蓄食料の提供、電動車両による他の避難所への電力供給を行うもの。

 「elb」は、本社機能を備える管理棟、中間処理施設がある工場棟、資源物の回収を行うリサイクルステーション、緑地帯の4つを合わせ、昨年6月に稼働開始した。蓄電設備があり、停電時にも電気が使えるほか、工場棟の一部には冷暖房を備え、管理棟を含めて避難者を受け入れる。

 同社社長の齋藤義成さんは「事業構想の中で、地域の企業・商人と住民が顔を合わせ、いざという時に協力できるのが大切だと考えてきた」と話し、施設開設に向けた計画時から災害時の避難所として活用できる機能を盛り込んでいたという。

 東日本大震災の直後から、がれき処理などのために被災地で活動していた同社。齋藤さんはその際に見た避難所の光景が忘れられないという。「避難所は我慢を強いられることが多く、もっと良い環境にならないのかとずっと考えていた時がたてば避難所もより良くなると思っていたが、ずっと変わらない。今も災害時のニュースなどで避難所が映ると胸がぎゅっとなる」と話す。

 その後、能登半島地震での被災地孤立や支援物資が届かない状況などを見聞きし、「災害時、まずは自分たちが生活するエリアで協力し合わなければならない」という思いを強め、施設周辺の自治会と協力し、避難訓練を実施してきた。その一環で、地域住民が「elb」を利用できるように施設の見学や設備の説明も行っている。定期的にイベントを開いて施設を開放し、住民と顔を合わせることも大切にしている。

 締結式に出席した内館茂市長は「生活環境を守り、地域に根付いた取り組みをしている皆さんと協定を結ぶことで地域防災力が高まり、心強い」と感謝を伝えた。齋藤さんは「何も新しいことはしていない。昔ながらの近所付き合いを続けているだけ」と笑顔で応えた。

 周辺住民の避難時には、基本的にそれぞれが必要なものを持って施設に集まるようにも呼びかけている。齋藤さんは「みんなで備えることも大切。その人ごとに必要なものは違うので、何を持ってくればいいか、ここに何があるのか、何が必要なのかを共有している。普段から関係を築くことで、災害時も安心して一緒に過ごせる。笑って過ごせる避難所と、企業と地域住民が協力し合う事例がもっと増えるといい」と話す。

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