盛岡市は12月25日、ポータブル電源などの販売を手がける「Jackery Japan(ジャクリ・ジャパン)」(東京都中央区)と、災害時等におけるポータブル電源を活用した連携協定を締結した。
同社では主にアウトドア向けの製品を展開しているが、近年は防災需要が高まっていることから、危機管理の課題解決や住民のサポートをしたいという考えで、昨年8月から全国各地の自治体と災害時の電源調達に関する連携協定を結ぶとともに、ポータブル電源などの平時の活用を目指す実証実験を推進している。同社が東北の自治体と協定を結ぶのは初めて。
協定は、盛岡市内に置いて災害が発生、またはその恐れがある場合、同社が保有するポータブル電源などの物資を円滑に調達できる体制を構築し、平時にも活用することで安心・安全な街づくりの推進に取り組み、市民サービスの向上を図ることが目的。災害時には市の要請に応じて、同社の物流拠点からポータブル電源とソーラーパネルを優先的に供給する。
25日に行われた締結式には内館茂市長とJackery Japan社長の高橋勝利さんが出席。協定書に署名し、協定に合わせてポータブル電源9台とソーラーパネル2台を市に寄贈した。ポータブル電源とソーラーパネルは災害時のほか、「道の駅 もりおか渋民」での事業や防災訓練など平時にも活用する。
高橋さんは「いざという時に電気が使える環境は安心できると思う。災害発生時に役立つのはもちろんだが、平時での活動を通じて普段から備えるという防災意識の向上につながれば」と話す。同社広報によると、12月8日に発生した青森県東方沖地震の後、同社ウェブサイトの閲覧数が増加したという。「自治体との連携を進める背景には、まずは災害に対して事前に備えてもらいたいという思いがある」とも。
内館市長は「避難所での電源確保をはじめ、災害への備えは急務になっている。例えば温かい食事をどう提供するかも電源があれば考えやすい。この協定締結で日常と非常時の境界をなくす『フェーズフリー』の防災を推進できたと感じる。日常から活用することで、使用方法が分かるのもありがたい」と感謝を伝えた。