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大船渡林野火災の被災木を猫グッズに 盛岡の企業が開発、活用の後押しを

被災木を使った猫用おもちゃで遊ぶ「猫社員」(写真提供=クロス・クローバー・ジャパン)

被災木を使った猫用おもちゃで遊ぶ「猫社員」(写真提供=クロス・クローバー・ジャパン)

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 猫用グッズの開発・販売を行う「クロス・クローバー・ジャパン」(盛岡市中央通1)が12月12日、大船渡市で2月に発生した林野火災の被災木を活用した「爪とぎ」と「おもちゃ」を発売した。

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 同社が展開する猫用品ブランド「nekozuki(ねこずき)」のウエットフードに大船渡市で飼育している鶏の肉を使っていることもあり、社長の太野由佳子さんは火災の発生を知ってから「何かできないか」と考え続けていたという。何もできないことに歯がゆさを感じていた。われわれの得意分野である『猫の困り事を解決する猫グッズ』で役に立ちたいと思っていた」と話す。

 商品開発を進める中で、太野さんは林野火災の被災木の存在を知った。岩手県林業技術センターの調査により、被災木は火災によって外側の樹皮は焼けていても、内部の強度や品質は通常の木と同等であることが分かっている。「強度や品質に変わりがなければ、これまで通り商品に使える」と太野さん。商品に被災木を活用しようと、取り扱っている製材所を探し、商品化にこぎ着けた。

 開発したのは、木の箱に段ボール製の爪とぎボードを入れた「がりがりボード」と、大きさが違う穴が開いた木製の箱にボールやおやつなどを入れて遊ぶ「ちょいちょいBOX」の2種類。どちらの商品も、太野さんと暮らす3頭の「猫社員」が実際に使用し、商品テストを手伝った。「ちょいちょいBOX」は猫社員たちとの遊びからヒントを得て開発。猫が興味を示した物に前足で軽く触れるしぐさに着目し、穴の開いた箱の中にボールなどを入れ、穴から足を入れて「ちょいちょい」と触りながら取り出せる仕組みにした。大きさの違う穴を対角線上に配置することで、中に入っている物が見えそうで見えない、取り出せそうで取り出せないという状況をつくり、猫が飽きずに遊べるように工夫した。

 発売後、大船渡在住者からの注文があったという。太野さんは「予想外のことで驚いた。大船渡のことを応援しようと思ったら、逆に応援されたような気持ち」と話す。「私たちが被災木を活用することで、他の活用法を見いだす人が増えてくれるとうれしい」とも。

 価格は各1万5,500円。オンラインショップ「nekozukiストア」で取り扱う。

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