麺を題材にした作品を展示する「麺展」が現在、「Cyg art gallery(シグ アートギャラリー)」(盛岡市菜園1)で開かれている。
東北にゆかりがある作家に焦点を当てた企画展や作品販売を行っている同ギャラリー。今回の展示は、岩手・盛岡らしい企画ができないかと考える中で生まれた。チラシやポスターに使用している久松知子さんによる作品「ご飯のドローイング」に、市内の老舗スパゲティ店「モンタン」の名物メニュー「ア・ラ・モンタン」を描いたものがあったのも、きっかけの一つだったという。
担当者の千葉真利さんは「久松さんのア・ラ・モンタンの絵を見た時、麺をテーマにすることを思い付いた。盛岡には名物の三大麺もあり、麺の名店として広く知られる店も麺好きの市民も多い。もちろん、私も麺が大好き。盛岡らしいテーマの企画展になったと感じている」と話す。
参加作家は15人。「作家の皆さんからも、麺に対するさまざまなアンサーが返ってきた」と千葉さん。盛岡三大麺や、作家自身が愛する店の麺、自宅で作った麺料理、インスタントの麺、温かい麺の湯気、麺をすする姿、麺をイメージしたキャラクターなど、思い思いの麺をイラストやポスター、銅版画、刺しゅうといったさまざまな手法で表現している。作家のプロフィールには、「好きな麺」の欄を設け、作家たちの麺へのコメントを載せている。
盛岡の麺文化に触れるもう一つの企画として、「丼展 -麺の名店の器たち-」を同時開催。麺を支えるアイテムとして、盛岡市内の名店から借りた丼やわん、器を展示する。10月に発生した火災で全焼した老舗そば店「橋本屋」の器も並ぶ。
同展を見た人からは「麺が食べたくなってきた」「麺を食べてきた」という感想も寄せられている。千葉さんは「アート作品を見て、器を見て、『あの麺が食べたい』と想像を膨らませてもらえたらうれしい。シンプルに麺を描いた作品から、ユニークな表現まで、たくさんの麺が並んでいるので、目で味わってもらいたい」と話す。
営業時間は11時~18時。水曜・木曜定休(12月31日は営業)。1月12日まで。