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盛岡に高齢者が主役の食堂 多世代が関わる共生の拠点も目指して

店員として働く地域の高齢者の皆さん(写真提供=あおやま街仲食堂byジーバーFOOD)

店員として働く地域の高齢者の皆さん(写真提供=あおやま街仲食堂byジーバーFOOD)

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 地元の高齢者が店員として働く飲食店「あおやま街仲食堂byジーバーFOOD」(盛岡市青山2)が11月17日、オープンした。

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 運営するのは、青山にある「スタイル薬局」。同薬局の平山智宏さんは、薬剤師として地域の高齢者と関わる中、「まだまだ元気な人も多いので、若者と高齢者が互いに支え合える場があれば、高齢化や高齢者という言葉のネガティブなイメージを変えられるのではないかと思った」という。

 宮城県の企業「ジーバー」が展開する「ジーバーFOOD」の活動を知り、見学会に参加。生き生きと働く高齢者の姿を見て、盛岡での開業を決意し、平山さんの挑戦や取り組みに共感した生花店「田村フローリスト」の社長の田村正道さんから場所を借り受けて出店した。

 店員は全員60歳以上で、近隣地域を中心に盛岡市内から通う。午前と午後で入れ替わり、調理や配膳、接客、メニューの考案を行っている。店員の女性は「年を重ねる中で友人や家族以外のつながりを持ちたい」と思い、同店で働くことを決めたという。「ここで働く話をしたら家族には驚かれた。食べることも料理も好きで得意分野だが、難しいことがたくさん。来店する皆さんからの『おいしい』の言葉が励みになっている。一つ一つ丁寧に、ゆっくり課題をクリアしながら成長するので、温かく見守ってもらいたい」と話す。

 提供するメニューは岩手県産の食材を中心に使った豚汁(350円)とおむすび(250円~)。コメは「銀河のしずく」で、みそやしょうゆ、塩も県内事業者のものを使う。セット(660円~)はおむすびの個数を3個まで選ぶことができ、特製の漬物が付く。

 平山さんは「働いている皆さんを見ていると、年齢って単なる数字なんだなと思わされる。ここで働く高齢者がいること、こういう活動があることが明るい共生社会につながると思う。まずは元気なシニアの活躍の場であることを前提に、若者から高齢者まで多世代が集まる場になれば」と話す。

 営業時間は11時~14時。木曜定休。

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