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盛岡・遺跡の学び館で「推し資料総選挙」 職員の推しから遺跡を身近に感じて

職員の皆さんの「推し」資料がエピソードと一緒に並ぶ展示室

職員の皆さんの「推し」資料がエピソードと一緒に並ぶ展示室

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 職員の「一推し資料」をテーマにした企画展「遺跡の学び館総選挙2025-あなたの推しは?-」が現在、盛岡市遺跡の学び館(盛岡市本宮)で開催されている。

来館者の推し資料イラスト展。土面を描く人が多く、職員も「意外な人気だ」と驚く

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 盛岡市内には現在789カ所の遺跡が存在し、同館では各遺跡の発掘調査や出土品の収蔵、考古資料の展示会などを行っている。近年、「推し」という言葉が一般的になったことから、「膨大な収蔵資料の中には職員それぞれに思い入れのある『推し資料』があるのではないか」という思いで同展を企画したという。今回は14人の職員が選んだ資料をその理由と共に紹介する。

 展示を担当する学芸調査員の千葉貴子さんは「職員同士で推しがかぶるんじゃないか、資料が多すぎてなかなか決まらないんじゃないかといった不安もあったが、意外とかぶらず、すんなり決まったのは面白かった。資料の見た目や価値だけではなく、職員が推している理由をじっくり見て楽しんでほしい」と話す。

 資料は「造形部門」「エピソード部門」「考古学っておもしろい部門」「意外と○○部門」の4部門に分けて展示。それぞれ見た目や形を重視して推している資料や、思い出や思い入れの熱いエピソードがある資料、考古学の奥深さやロマンを感じられる資料、じっくり見ると意外な発見がある資料を取り上げる。

 千葉さんの推し資料「残念な土器」は「意外と○○部門」に展示している。「残念な土器」は出土地が不明な土器のこと。同じような形で出土地が分かっている土器は調査報告書や、遺跡の名前や出土位置を示した「遺物カード」が作られるという。出土地不明の土器に報告書や遺物カードはなく、展示機会もない。千葉さんは「状態が良い土器なのに、出土地が分からないだけで日の目を見る機会がない。そこが残念で、なんだか応援したくなる。展示するなら今しかないと思って推した」と話す。

 番外編として、遺跡で発掘作業を行う作業員の推し資料や遺跡、館内の受付などを担当する職員の館内推しスポット、同館でボランティアを行うサポーターの推し体験や講座も紹介している。関連企画として来館者が描いた「推し資料」のイラスト展も行っている。

 企画展で紹介している職員の推し資料14点は、来館者による投票で1位を決める。千葉さんは「歴史や考古学は難しいと思っている皆さんに、推しというキーワードをきっかけに展示を見てもらい、遺跡と遺物の面白さを気軽に感じてもらいたい。皆さんの推しが1位になるかどうか、応援して」と呼びかける。

 開館時間は9時~17時(入館は16時30分まで)。入館料は、一般=200円、小中学生=100円、小学生未満・市内在住の65歳以上は無料。月曜、毎月最終火曜休館。来年1月18日まで。

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