
家具で生活空間を再現した中にアート作品を展示する企画展「暮らしとアート展」が現在、「Cyg art gallery(シグ アートギャラリー)」(盛岡市菜園1)で開かれている。
同ギャラリーでは東北の作家に焦点を当てた企画展の開催と作品の販売を行っているが、アートを販売することの難しさや、来場者が作品を購入することへのハードルの高さを感じていたという。企画を担当する加藤麻衣さんは「アート作品を購入して、自宅に飾ることを想像しづらいのではないか」と考えたという。
「展示スペースは作品を引き立てるために白が基調となっているので、この場所では自宅に飾ることを想像しづらい。私の家の中にも、こんなに白いスペースはない」と笑う加藤さん。「どうしたらアートに親しみを持って、暮らしの中に迎え入れてもらえるだろうかと考える中、ギャラリーの中に普段暮らしている環境を再現しようと思い付いた」と話す。
今回は、「うちむら家具 FARI100 MORIOKA」と「See」の家具事業者2店の協力を得て、ギャラリーの中にテーブルやソファ、ベッドなどの家具を設置。玄関やリビング、ダイニング、寝室といった生活空間を再現した中に、13人の作家の作品を配置し、家の中にアートを飾ることをイメージしやすい展示を企画した。作品のジャンルも絵画やオブジェ、イラストレーションのほか、陶器や刺しゅう、ガラスなど生活になじむものも選んだ。
これまでの企画展の来場者は作家のファンや展示に興味がある人が中心だったが、「暮らしとアート展」には、ギャラリーに入ったことがない人や展示内容を知らない人も立ち寄るようになったという。加藤さんは「家具が置いてあるだけで、ギャラリーの展示空間が親しみやすいものになっている。家具とアートが互いの魅力を引き立てる橋渡し役になっているようだ」と話す。
「家具を置くことで家にアートがある環境を想像してもらえると思うが、ここから皆さんの家に持って行った時の印象が変わるのも、アートの楽しみの一つ。今回の展示が、いつかアートを買うことにつながればと願う」とも。
営業時間は11時~18時。水曜・木曜定休。入場無料。今月26日まで。
11日・12日には、「ジェスモナイト トレー製作」と「タフティング ミニラグ製作」のワークショップを開く。開始時間は10時30分、11時30分、13時30分、14時30分。所要時間は約35分。料金は、トレー製作=3,500円、ミニラグ製作=5,500円。定員は、トレー製作=各回4人、ミニラグ製作=各回2人。ミニラグ製作は事前予約が必要で、ギャラリーのウェブサイトで受け付ける。予約に空きがある場合は当日参加できる。