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盛岡・ZOOMO新動物病院建の基本設計を報告 南部曲がり家から着想

模型を使って内館市長に説明する亀本さん(中央)

模型を使って内館市長に説明する亀本さん(中央)

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 盛岡市動物公園ZOOMO(盛岡市新庄)の新動物病院の基本設計を担当する「槇総合計画事務所」の関係者らが10月7日、設計概要の報告のために内館茂市長を表敬訪問した。

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 同園の動物病院は非公開エリアにあり、建築から30年以上経過し老朽化が進んでいる。動物の医療環境に置ける衛生面や防疫における安全面にも不安要素があるほか、夏は暑く、冬は寒いため、動物だけではなく治療に当たる獣医にとっても厳しい環境になっているという。

 同園では「動物と人と環境の健康は相互に関連していて、ひとつである」という考え方を表す「One World-One Health」の理念を掲げ、それを体現する方法として動物病院の建て替えを計画。理念に賛同した槇総合計画事務所が協力を申し出、2022年に市を含めた3者で協定を結び、共同で整備を進めている。現在は同事務所が基本設計を進め、市ではふるさと納税を通じた寄付の募集などにも取り組んでいる。

 7日には槇総合計画事務所の社長・亀本ゲーリーさんやZOOMOの獣医など関係者が市役所を訪れ、新しい動物病院とその周辺の模型を使って内館市長に基本設計の概要について報告。新しい動物病院は園内の公開エリアに移転新築し、来園者が動物の治療や回復していく様子などを見学できる形となっている。

 建物の意匠は、人が暮らす母屋と馬屋がつながった構造の「南部曲がり家」から着想を得た。亀本さんは「ZOOMOは豊かな自然の中にあり、人間の方から動物のいるべき場所に訪れるような動物園。ZOOMOの環境や『One World-One Health』の理念は、馬と人が家族となって一つ屋根の下で暮らした南部曲がり家とまさに同じなのではないかと考えた」と説明した。

 内館市長は「盛岡は古いものに価値を見出すことができる街。伝統ある南部曲がり家と近代的な動物病院の機能が一つになるのは良いことだと思う。ZOOMOが取り組む動物福祉を体現した、世界に誇れる施設になれば」と期待を寄せた。

 「私にとって盛岡は第三の故郷。盛岡の皆さんに自分たちが持つ知識で貢献できることをうれしく思う」と亀本さん。「病院というのは一般的に入り込みたくない、近づきたくない場所。新しい動物病院は動物園での教育や体験の一つとして、公共性を高め、親しみを持てるような方向で設計を進めていく」と話す。

 市では12月31日まで、クラウドファンディング型ふるさと納税を通じた寄付を募っている。目標金額は1,500万円。

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