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岩手県文化振興事業団40周年記念展始まる 記憶を振り返りと未来へと脱皮

津波被災資料の修復や復興発掘調査など東日本大震災からの復興にまつわるエリア

津波被災資料の修復や復興発掘調査など東日本大震災からの復興にまつわるエリア

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 岩手県文化振興事業団創立40周年企画展「記憶と脱皮-事業団のこれまでとこれから」が8月21日、トーサイクラシックホール岩手(岩手県民会館)展示室(盛岡市内丸)で始まった。

施設ごとの10年の歩みなどをまとめたエリア

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 同事業団は、芸術文化の振興と文化財等の調査研究、収集、保護、保存、活用などを図り、県民の教育、学術と文化の振興に寄与することを目的に1985(昭和60)年に財団法人として設立し、2011(平成23)年に公益財団法人に移行。県民会館、埋蔵文化財センター、県立博物館、県立美術館の4施設を管理運営するほか、文化団体などの活動を奨励・援助する文化振興基金事業を行っている。

 今年で創立40周年を迎えた記念事業の一環として、同事業団の活動について紹介する展覧会を企画。「記憶と脱皮」と題し、東日本大震災後の復興支援の取り組みと過去10年間の活動を中心に取り上げる。

 同事業団理事長の石田知子さんは「これまでの沿革や復興支援の取り組み、調査、研究、展示、公演の記憶を振り返り、多様化し急速に進展する社会の中での文化芸術振興の場としての在り方、私たちが脱皮しながら取り組んでいくべきことについて考える機会とした。日々の活動の様子を熱量と共に感じ取ってもらいたい」と話す。

 4章構成で、1章は事業団について、2章では震災復興の取り組み、3章は4つの施設と事業団による岩手芸術祭や文化振興基金事業などの活動、4章ではこれからの事業団の在り方や文化芸術振興などの未来について触れる。2章の復興支援の取り組みとしては、岩手県立博物館が現在も続けている津波被災資料の修復や、埋蔵文化財センターが復興事業に伴って行った発掘調査の成果を紹介。3章では、4つの施設の過去10年の歩みをまとめるほか、収蔵資料の一部や調査成果10年間に開催した企画展や公演のポスターを展示する。

 「公演や展示のポスターを見ながら『これ見に行ったよね』と思い出話をしてもらいたい」と石田さん。「事業団の取り組みを一堂に集める展示はこれまでになかった。ベストアルバム的な内容になっていると思う。郷土岩手の文化の歴史がどうつくられてきたのかを知ってもらい、この蓄積を次の世代につなげることが大切だと展示を通じて伝えられれば」と話す。

 開場時間は9時30分~18時(最終入場は閉場20分前、最終日は15時閉場)。入場無料。今月27日まで。

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