
第1回官民連携まちづくりイベント「MORIOKA AGORA(モリオカ・アゴラ)」が7月30日に始まった。
中心市街地16エリアの特色やまちづくりに関する提案をまとめた大型地図
市が策定を進めている「(仮称)盛岡市中心市街地デザイン戦略」をきっかけに、「市民と行政がまちづくりについて語り合う『場』をつくるプロジェクト」として企画した。「アゴラ」はギリシャ語で「人々が集まるところ」を意味し、古代では市民広場やそこに集まって行う「民会」を指していたことから名称に採用したという。
同戦略では、中心市街地とその周辺を16のエリアに分け、各エリアの特徴や課題、エリアの在り方、将来像などをまとめている。中心市街地は都市インフラの更新時期を迎え、歴史的建造物の維持や景観保全などの課題を抱える中、各エリアの特色を可視化し、行政と市民が長期的な展望を持ってまちづくりを進めるための土台とする。
第1回のモリオカ・アゴラはデザイン戦略をテーマに、同戦略の目的や意義、内容を市民に周知し、パブリックコメントの活性化につなげることを目的に開催。デザイン戦略の内容をエリアごとのパネルや大きな地図などを使って分かりやすく紹介する特別展覧会と、展覧会でのワークショップやギャラリートーク、8月23日に開催する市民フォーラムで構成する。
初日は展覧会の会場となる「盛岡という星でBASE STATION」でオープニングイベントを行い、内館茂市長と市都市整備部の関係者が出席。デザイン戦略の策定に関わる地域力創造アドバイザーの臂(ひじ)徹さんと、上條・福島都市設計事務所の福島秀哉さんが戦略の概要について、モリオカ・アゴラの企画・運営を担う「homesickdesign」の清水伸介さんがイベントについて説明した。
福島さんは「デザインという言葉の語源には『考えや計画を目に見える形にすること』という意味がある。デザイン戦略は、中心市街地の各エリアが考える将来像を形にしたもの」と説明。臂さんは「盛岡の中心市街地はエリアが広く、全国的にも面白い形だと思うが、各エリア同士のつながりが薄いのが課題の一つ。デザイン戦略が、それぞれが持つ特色を組み合わせたまちづくりを進めるきっかけになれば」と話す。
清水さんはモリオカ・アゴラについて「パブリックコメントには、なかなか集まらない、集まっても質が高くない、意見を書くために大量の資料を読まなくてはいけないといった課題がある。それをキュレーションの力で解決できないかという考えから生まれたイベント。盛岡のまちづくりについて楽しく考える期間として受け止めてもらいたい」と紹介した。
内館市長は「官民が連携してまちづくりの方向性を描くといった難しい言葉を並べているが、盛岡という街は行政だけでつくるものではなく、市民の皆さんと一緒につくっていこうということ。自分たちの街は自分たちでつくるという思いを盛り上げていきたい」と話す。
展覧会開催時間は10時30分~18時30分。8月17日まで。市民フォーラムは8月23日13時から盛岡劇場・河南公民館で行う。