
米メジャーリーグ・エンゼルスの菊池雄星選手のイラストがデザインされたマンホールカバーが6月16日、都南図書館(盛岡市永井)に設置された。
都南図書館視聴覚室での展示。同館のキャラクター「モグリ」も菊池選手応援仕様で登板
メジャーリーグ機構が同リーグで活躍する日本にゆかりがある12人のメジャーリーガーをたたえ、選手の故郷などに特製のマンホールカバーを設置することで選手を応援する取り組みによるもの。岩手県から始まり、盛岡市出身の菊池選手のほか、奥州市出身の大谷翔平選手、陸前高田市出身の佐々木朗希選手の3つのマンホールカバーが同日設置された。
菊池選手のマンホールカバーは、「投げる本の虫」とも呼ばれ、読書家としても知られる菊池選手にちなんで都南図書館に設置。菊池選手は学生時代に同館に通い、館内には菊池選手が紹介した本や菊池選手の記事が掲載されたスポーツ雑誌を並べたコーナーも設けている。
同館が設置場所に選定されたという連絡を受けて職員らは驚き、大喜びしたという。中でも、菅野恵子さんは菊池選手が高校生の時から応援している大ファン。「一報を受けて、みんなが私を呼びに来た」と笑う菅野さん。「本当に夢のよう。よくぞここを選んでくれたとうれしい気持ちでいっぱい。マンホールカバーをみんなで宝物にしたい」と喜びを語る。
マンホールカバーの設置に合わせ、館内の視聴覚室では菅野さんが個人的に集めてきた菊池選手に関する新聞記事の切り抜きや職員私物の菊池選手関連グッズを展示。新聞記事は2009(平成21)年の花巻東高校時代から現在に至るまでのものがそろう。
マンホールカバーのイラストは、岩手出身の森優さんが手がけ、投球する菊池選手の姿に岩手の木「ナンブアカマツ」、岩手の花「キリ」、静かに燃える闘志を表した炎が添えられたデザイン。菊池選手の足元には開かれた本が描かれている。マンホールの側にある二次元コードをスマートフォンで読み込むと、AR(拡張現実)技術を活用して選手の歩みを紹介する動画を見ることができる。
16日に行われた除幕式には内館茂市長をはじめとする関係者のほか、菊池選手が所属していたスポーツ少年団「見前タイガース」に所属する9人の児童が参加。都南図書館の職員もエンゼルスをイメージした赤いTシャツを着て式典を見守った。
設置されたマンホールカバーに子どもたちは「かっこいい」「家に欲しい」「イラストが菊池選手に似ている」と歓声を上げた。自身も野球少年だったという内館市長は「菊池選手の好投には胸を熱くしている。12個のマンホールカバーのうち、岩手に3個で、その1つは盛岡であることがうれしい。全国から見に来てもらいたい」と呼びかける。