
石川啄木記念館・盛岡市玉山歴史民俗資料館で3月27日、リニューアルオープン前の内覧会が開かれた。
両館は施設の老朽化などに伴い、2023年から休館し大規模改修工事を進めてきた。これまでは別な場所にあった両館だが、石川啄木記念館を増築し、盛岡市玉山歴史民俗資料館が隣り合う複合施設として生まれ変わった。
両館共に展示内容を一新。石川啄木記念館は「啄木の言葉を入り口に啄木の魅力に気付き、触れる」というコンセプトの下、常設展示室の中央には大型のスクリーンを設け、描き風のアニメーションなどを投影する。アニメーションは「啄木と人生」と「啄木とふるさと」の2種類で、啄木の歩みや玉山の風景を作品と共に紹介する。展示室の壁面には啄木の誕生から没後の出来事までを記した年表を設置。年表に沿って、写真や原稿などの実物資料を展示する。
常設展示室の隣には企画展示室も用意。改修前は常設展示室の一角で企画展を開いてきたが、今後は専用の部屋を使い、さまざまな企画展を予定している。
盛岡市玉山歴史民俗資料館は、風土、祈り、暮らしと道具の3つのテーマで構成。姫神山に関する信仰についての資料や、「スッパ」と呼ばれていた仕事着や農具などを展示し、玉山の歴史と文化、生活について掘り下げる。中央のモニターでは玉山地域の自然や民族芸能について取り上げた映像を視聴できる。
石川啄木記念館と玉山歴史民俗資料館をつなぐ多目的室の窓からは、啄木が代用教員として在籍した旧渋民尋常小学校と、代用教員時代に家族で暮らしていた旧斉藤家が見える。加えて、多目的室には展示収蔵庫が見える「収蔵展示室」を設け、啄木が生きた明治時代の暮らしに関する資料を並べる。
両館は啄木の命日である4月13日の13時にリニューアル開館を迎える。石川啄木記念館の藤原安生館長は「啄木は歌人であり文学者。彼の言葉から人生をたどり、視覚から直感的に分かる展示に仕上がっている。歴史民俗資料館と併せて、啄木の生涯と共に彼が過ごした玉山の魅力を発信できれば」と話す。
開館時間は9時~17時(入館は16時30分まで)。月曜休館。石川啄木記念館の入館料は、一般=300円、高校生=200円、小中学生=100円、市内に住所がある65歳以上と小中学生は無料。玉山歴史民俗資料館は入館無料。