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紫波町図書館の新館長に地域おこし協力隊 人をつなぐ図書館をこれからも

館内のお薦め場所を聞くと「絵本コーナーもいいんですよね」と笑顔を浮かべた天野さん

館内のお薦め場所を聞くと「絵本コーナーもいいんですよね」と笑顔を浮かべた天野さん

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 紫波町図書館の新しい館長に地域おこし協力隊として活動する天野咲耶さんが10月1日、就任した。

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 天野さんは2021年3月に東京から紫波町へ移住。同年の4月から地域おこし協力隊として活動している。移住を決めるきっかけになったのが紫波町図書館の存在だった。協力隊の仕事として同館のSNS運用や広報業務にも携わっている。「図書館がすてきだなと思っていた。選書はもちろんだが、スタッフの皆さんと話しやすい図書館だったのが良かった」と天野さん。「本や映画など文化系のコンテンツにアクセスしやすい環境かどうかが不安だったが、『この場所があれば大丈夫』と思った」と振り返る。

 館長の藤尾智子さんからは昨年末から「新しい館長にならないか」と声をかけられていた。藤尾さんには「町の情報をアップデートしていくためには、今を知る若い人に引き継ぐ方が良い」という思いがあったという。天野さんも驚き、「ご冗談をと思い、自分のような年代の人が受ける仕事ではない、正直難しいと思った。返事をするまで長い時間をかけた」と話す。

 地域おこし協力隊と兼業する形で作家としても活動してきた天野さん。来年3月で地域おこし協力隊の任期が終了し、その後も作家をしながら地域に貢献したいという気持ちがあり、館長の仕事が自分にフィットするのではないかと思い至ったという。天野さんは「作家として本に関わった経験や、協力隊として本に関連するイベントを運営した経験が、館長の仕事に生かせるかもしれない。図書館のために自分にできることがあるかもしれないと思い、決断した」と話す。

 就任についてウェブサイトやSNS上で発表すると大きな反響があり、若い世代や移住者が館長となる柔軟性にも注目が集まったという。現在は地域おこし協力隊として役場や地域と図書館を行き来しながら、図書館の一日の動きや館長の仕事を学んでいる。

 今月18日には館長になってから初めての企画展示として、町の中にあるさまざまな相談窓口や相談できる人を紹介する展示が始まる。天野さんは「紫波町図書館は人をつなぐ図書館。例えば何か調べようとした時、本だけではなく紫波に住む人のことを紹介してくれるのがこの図書館の魅力の一つ。『この場所があれば大丈夫』と感じた図書館の良さを守りながら、人と本、人と情報、人と人をつなぐ大切さを届けたい」と話す。

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