巡回写真展「写真に見る盛岡の五感~『盛岡市史現代 写真集』刊行記念写真展~」が7月11日、複合商業施設「monaka(もなか)」で始まった。
盛岡市は2019年度に市制施行130周年を迎えたことをきっかけに、1950年代から2019年までの約60年間の市の歴史と発展の記録などをまとめる「市史編さん事業」に取り組んでいる。今年3月には行政資料や新聞記事などを掲載した「盛岡市史現代 資料編」上下巻と、市内の風景や人々の暮らしなどの様子を撮影した写真をまとめた「盛岡市史現代 写真集」を発行。4月26日から一般販売し、写真集は1週間で販売予定数の250部が売り切れた。7月26日から増刷分を販売する。
市企画調整課市史編さん室の高橋貴子さんは「私たちも『市史ってそこまで売れるものではない』と認識していたので、予想以上の売れ行きに驚くと同時に、皆さんの盛岡への愛着を感じている」と話す。
写真集には市民から提供されたものを含め、709点の写真を収録する。集まった写真を多くの人に見てもらおうと、刊行を記念した巡回写真展を企画。「monaka(もなか)」を皮切りに、渋民文化会館、都南図書館、盛岡という星でBASE STATION、もりおか啄木・賢治青春館の5会場を回る。
「五感」をテーマに写真集の中から30点の写真を選んで展示。写真集の制作に向けて集めた写真を選別する中で、「写真から音や匂いが感じられる」という声があったことから、五感をテーマに選んだという。展示は「視(みえる)」「聴(きこえる)」「匂(かぐ)」「味(あじがする)」「触(さわる)」のジャンルごとに紹介し、都南地域や玉山地域など市内を高い所から見る航空写真、白鳥の声が聞こえてきそうな「北上川の白鳥」や、桜の香りが漂うような「サクラパーク姫神」の写真のほか、国際交流での触れ合いをイメージさせる「ビクトリア市使節団」の記念写真、農作業の合間に食べるおやつ「こびる」の様子を写した写真などが並ぶ。写真には大人向けと子ども向けのキャプションを添え、写真から感じられる五感について紹介する。
会場に置かれた感想ノートには、来場者からは「懐かしさを感じた」「知らない景色があった」「盛岡ってすごい」といった感想が寄せられている。「市民の皆さんがそれぞれに思い出の五感がある」と高橋さん。「世代によって写真の受け取り方が変わってくるのも展示の魅力だと思う。写真を見ながら、盛岡について話したり、新たな発見をしたりしてもらいたい」と呼びかける。
開催時間は10時~19時(最終日は13時まで)。今月19日まで。以降の巡回スケジュールはウェブサイトに掲載する。