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盛岡市と川徳が災害時に向けた協定締結 市民の安心安全を共に守って

協定書にサインし、災害時の連携を誓って握手を交わす内館市長(左)と荒道社長(右)

協定書にサインし、災害時の連携を誓って握手を交わす内館市長(左)と荒道社長(右)

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 盛岡市と市内で百貨店を運営する「川徳」が5月31日、「災害時における衣料、寝具その他の生活必需品の調達に関する協定」を締結した。

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 協定締結は川徳側の提案により実現。同社では今年1月の能登半島地震の発生を受け、「地方百貨店の強みを生かし災害時に役に立てることはないか」と考える中、社員から「市と災害関連の協定を結ぶのはどうか」と提案があったという。荒道泰之社長が内館茂市長を訪問し、協定締結に向けた相談をしたところ、内館市長は快諾。荒道社長は「判断の速さに、市民の命を預かる市長としての思いを感じた」と当時を振り返る。

 協定では地震や台風などの災害発生時、市の要請に基づいて川徳が店舗の在庫などから衣類や寝具などの生活必需品を有償で提供し、市は避難所などに配布することとしている。31日に行われた締結式には内館市長と荒道社長のほか関係者らが出席。川徳側は防災用品のカタログも持参し、必要に応じてカタログからも取り寄せることができると説明した。

 内館市長は就任前のことを振り返り「昨年8月まで一市民として普通に暮らす中で、安心安全は当たり前のことだった。市長になり、市民の安心安全と命を守ることは最も重要な仕事であり、行政や企業が協力して守っているということを実感した」と話した。市が災害に関連した協定を結ぶのは今回が88例目。「地域から信頼される百貨店と協定を結ぶことは市の災害対応力の向上につながり、自然災害が頻発化・激甚化する中で非常に心強い」と感謝を伝えた。

 荒道社長は「どこでどんな災害が起こるかわからない。盛岡も例外ではなく、万が一の備えは必要。さまざまな取引先があり、何百種類の多種多様な商品を取り扱っているので、いざという時に力になれると思う。こういった協定を結ぶことで、市民の皆さんの災害への意識を高めるきっかけになれば」と話す。

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