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岩手町で3人の「じいさん」がコーヒー作り コーヒー豆栽培と全国制覇を夢に

一つずつはんこを手で押したパッケージ。ここにも3人の「じいさん」の姿が

一つずつはんこを手で押したパッケージ。ここにも3人の「じいさん」の姿が

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 「粉夢(こなむ)」(岩手町)がオリジナルコーヒー「Giii COFFEE(ジーサンコーヒー)」を発売して1カ月がたった。

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 製麺会社として創業した同社は、「おいしいものが食べたい、作りたい」という考えから、町産の農畜産物や自社設備を生かしたオリジナル製品の開発にも取り組み、ギョーザやシューマイ、パンなどを販売している。コーヒーも「おいしいコーヒーが飲みたい」という思いから始まったという。

 「ジーサンコーヒー」という商品名は、町内に住む3人の「じいさん」が作ったことから付けた。「じいさん」の一人で同社顧問の菊地眞一郎さんは普段コーヒーをよく飲むことからコーヒー豆の焙煎(ばいせん)に興味を持ち、独学で学び始めた。「パンを販売しているので、パンに合うおいしいコーヒーが欲しい」というアイデアで商品化を考え始めたという。「コーヒー豆もひいてしまえば粉。粉から商品を作ってきた会社としては合っていると思った」と話す。

 同社との交流から「町内で農業を営むじいさん」が実験的にコーヒー豆の栽培を始めたことも本格的に商品開発を進めるきっかけになったという。いずれは町産コーヒー豆を使うことも視野に入れ、菊地さんはさまざまな種類のコーヒー豆を取り寄せて焙煎のテストを始めた。フライパンや銅の鍋、中華鍋、オーブンなどを使う中で、「機械作りが得意なじいさん」に焙煎機を作りたいと相談。世界に1台だけの手回し焙煎機を生み出し、本格的に豆の焙煎を始めた。

 菊地さんは「飲んだ時にえぐみが残らず、苦いだけではなく、甘さが感じられる」という味を目指して焙煎やブレンドの研究を重ね、ブレンド、ブラジル(以上600円)、エチオピア(800円)の3種類を4月17日に発売。町内の「道の駅 石神の丘」や盛岡市内の「らら・いわて」で販売したところ、試飲した人からは「すっきりしておいしい」「酸味も少なく飲みやすい」といった感想が寄せられたという。

 はんこを手押しして作るパッケージには、3人の「じいさん」それぞれの役割を表す「Good taste」「Good technology」「God's grace」の言葉が添えられ、商品名には「3つのG」という意味も加えている。「これまでの商品開発の中でコーヒーが一番大変だった」と菊地さん。「始める前から大変だろうなと思っていたけど、遊び心を持ってチャレンジすることが大事だと感じている。これからは岩手町で育ったコーヒー豆を使うことや、販売場所を少しずつ増やして全国制覇することを夢に、3人のじいさんたちで頑張りたい」と意気込む。

 商品は「道の駅 石神の丘」と「らら・いわて」、二戸市のなにゃーと物産センターで取り扱う。

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