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岩手のラグビーの歴史をたどるテーマ展 新日鉄釜石からW杯、現在の活躍まで

日本選手権7連覇を果たした新日鉄釜石ラグビー部の記念品がずらりと並ぶ一角

日本選手権7連覇を果たした新日鉄釜石ラグビー部の記念品がずらりと並ぶ一角

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 岩手県立博物館(盛岡市上田)で現在、テーマ展「ラグビーといわて」が開かれている。

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 ラグビー誕生の歴史から岩手でのラグビーの始まりと現在までの関わりをたどる同展。担当学芸員の工藤健さんは「数あるスポーツの中でも、岩手のスポーツといえばラグビーというイメージがあるくらい、岩手とラグビーには深い関係と歴史がある。実は岩手のラグビーってすごいぞというのをもっと知ってもらいたい」と話す。

 展示の序章ではラグビーの誕生と日本での始まりについて触れ、イングランドの名門私立学校「ラグビー校」で生まれたスポーツであり、教育の一環として取り入れられてきたことや、日本で初めてラグビー部が誕生した慶応義塾大学について紹介する。

 1章から3章までは岩手とラグビーの関わりについて取り上げる。1章は「岩手のラグビーのはじまり」と題し、岩手で初めてラグビーが導入された「旧岩手中学校(現岩手高校)」と同校を創立した三田義正について紹介。2章は「北の鉄人」と呼ばれ日本選手権で7連覇を果たした新日鉄釜石ラグビー部の活躍、盛岡工業高校や岩手大学の成績など栄光の記録を、優勝盾や優勝杯、トロフィーなどの資料と共に振り返る。

 3章では2019年に釜石鵜住居復興スタジアムで開催されたラグビーワールドカップ(W杯)に焦点を当て、東日本大震災後に釜石へ贈られたサインボールや、W杯の公式球と横断幕、日本、フィジー、ウルグアイの代表ジャージーなどを展示している。

 展示室内にはラグビーコートを模したラインを床に貼っているほか、県外で活躍する岩手出身選手を紹介するパネル、「ラグビーボールはなぜ楕円(だえん)なのか」「トライという理由」といった豆知識を解説するパネルも用意。常設の「いわて文化史展示室」にも、釜石シーウェイブスのゼネラルマネジャー桜庭吉彦さんや新日鉄釜石時代に活躍した千田美智仁さんの関連資料などを並べている。

 工藤さんは「今も釜石にチームがあり続ける背景には、岩手にラグビーが根付いてきた歴史や、岩手とラグビーがつないできた絆がある。展示を見た後に『なんだかラグビーが見たくなったかも』『ラグビーって面白いかも』と思ってもらえたらうれしい」と話す。

 開館時間は9時30分~16時30分(入館は16時まで)。入館料は一般=330円、学生=150円、高校生以下無料。月曜休館(休日の場合は翌平日)。5月19日まで。

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