学ぶ・知る

もりおか歴史文化館で恒例の「干支コレクション」 辰年生まれの藩主も紹介

9代盛岡藩主・利雄が見に着けていた金の竜の前立てのかぶとと、掛け軸に描かれた利雄

9代盛岡藩主・利雄が見に着けていた金の竜の前立てのかぶとと、掛け軸に描かれた利雄

  • 18

  •  

 もりおか歴史文化館(盛岡市内丸)で現在、テーマ展「干支(えと)コレクション・辰(たつ)」が開催されている。

竜の姿が描かれた火消しの刺し子はんてん

[広告]

 同館が収蔵する資料から、その年の干支に関するものを展示する同展。毎年、担当学芸員が中心となって収蔵庫を探し、干支にちなんだ資料を見つけ出している。今年の干支は「辰」で、十二支の中で唯一、架空の生き物の竜が当てられる。担当学芸員の太田悌子さんは十二支の始まりから調査を行ったという。

 太田さんは「なぜ架空の生き物が、十二支に当てる動物として選ばれたのか気になった。竜は縁起の良いモチーフとして本の表紙や布製品の模様に使われていので、竜が描かれている資料自体は豊富にあるが、どんなものを紹介するかは迷った」と話す。

 展示する資料は13点で、江戸時代の百科事典「和漢三才図会」の竜に関する項目や、刀身に竜の姿が刻まれた刀、竜が描かれた刺し子はんてんなどが並ぶ。「刺し子はんてんは火消しが火事の際に身に着けていたもの。竜は水の神様でもあるので火消しに好まれたモチーフだと考えられる」と太田さん。

 辰年生まれの盛岡藩主、9代・南部利雄を紹介。利雄は1724年生まれで、2024年は生誕からちょうど300年となる。盛岡藩の家老による政務日記「盛岡藩家老雑書」には、利雄の幼名が「辰之助」であることが書かれている。利雄が実際に身に着けていたかぶとの前立てには、金の竜の飾りがあしらわれている。歴代当主の甲冑(かっちゅう)姿を描いた巻物「南部家歴代当主画像」にも、利雄がこのかぶとを着けた姿が描かれている。

 太田さんは「辰年生まれで幼名も辰、かぶとにも竜という辰年にぴったりの藩主がいたことも知ってもらえたら。辰年は時代が動く年だという話もあるし、竜は富の象徴ともされている。2024年が皆さんにとって良い一年になるように願いを込めて、今年のスタートを飾る縁起の良い展示として見に来てもらえれば」と呼びかける。

 開館時間は9時~18時(入場受け付けは17時30分まで)。観覧料は一般=300円、高校生=200円、小・中学生=100円。盛岡市内在住・就学の65歳以上と小・中学生は無料。1月15日まで。

  • はてなブックマークに追加
エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース