盛岡駅前滝の広場(盛岡市盛岡駅前通)で9月16日、「いわて酒蔵フェスタ2023 in 盛岡」が初開催される。
同イベントを主催する岩手県酒造組合では、岩手の日本酒のファンをつくることを目的に、県内外でイベントを行ってきた。これまでのイベントはホテルや飲食店などを会場に、料理と共に日本酒を味わう形式が多かったという。今後のイベントについて組合で検討を進める中、「新しいイベントを立ち上げてみてはどうか」「もっと気軽な形で日本酒を楽しめるものはどうか」という意見が出てきた。
ニューヨーク・タイムス紙が選ぶ「2023年に訪れるべき52カ所」に盛岡市が選出されたことも、新しいイベントを立ち上げるきっかけとなった。同組合理事事務局長の菅沼淳さんは「岩手県は広く、各地にそれぞれ酒蔵がある。盛岡が日本や世界から注目を集める今、盛岡に岩手の酒蔵が集まることで、盛岡を訪れた皆さんに岩手の地酒を楽しんでもらえるのではないかと考えた」と話す。
会場は岩手・盛岡の玄関口とも称される盛岡駅とし、開催時間も日帰りもしやすく、市内との観光と組み合わせやすい時間帯に設定。盛岡に着いてすぐ、もしくは盛岡から帰る直前にも来場しやすいイベントにした。組合に加盟する県内21の酒蔵が参加。来場者はスタンプチケットとおちょこ、和らぎ水(日本酒の合間に飲む水)がセットになった「スターターキット」を購入し、各酒蔵のブースを回る。各酒蔵は3種類の試飲酒を用意。来場者はスタンプチケットをブースで提示して試飲を行い、スタンプ10個分まで試飲が可能。一部の試飲酒は販売も行う。スタンプが10個たまった後、「もう少し飲みたい」という人は、5スタンプ分の「おかわりチケット」を購入できる。会場内には飲食ブースも出店し、つまみなどの販売も行う。
各酒蔵が用意する試飲酒は、「今、お薦めのお酒」や「定番のお酒」「新しいお酒」を中心にそろえているという。蔵元や杜氏(とうじ)が参加する酒蔵もあり、日本酒ファンは造り手との交流が楽しめるほか、日本酒初心者は味わいや自分の好みについて相談しながら試飲できる。「造り手としても、普段はなかなか会えないファンと交流できるのはうれしいと思う」と菅沼さん。
今年だけで終わるイベントではなく、毎年恒例のものへ育てていくことも目標。菅沼さんは「盛岡に来てもらいたいという思いも込めたイベント。どんな反響、反応があるか分からないが、まずは一歩踏み出そうというところ。盛岡に岩手の酒蔵が集まるから行ってみようか、というように、日本酒や岩手の地酒が盛岡を訪れるきっかけになれば」と話す。
開催時間は12時~19時。チケットは2,500円(当日は500円増し)。前売り券はローソン・ミニストップ・ローチケWEBで取り扱う。