盛岡市が9月1日11時から、大地震の発生を想定した一斉防災訓練「盛岡市シェイクアウト」を実施する。
シェイクアウトは2008(平成20)年に米国で始まった、地震に備えるための防災訓練。参加者は、指定された日時に自分がいる場所で身を守る行動を一斉に行う。会場の準備が不要で、天候に左右されず、参加者の安全管理がしやすく、多くの人が同時に訓練を経験できる点が特長で、盛岡市では2016(平成28)年から、毎年9月1日の「防災の日」に合わせて市内全域でシェイクアウトを行っている。
昨年度は、参加登録団体数が300団体、参加登録者数は4万8056人だった。参加者からは「普段気付かないオフィスの危険箇所などを認識することができた」「訓練に合わせ、持ち物の点検、家具転倒防止など、意識向上につながった」などの感想が寄せられた。
当日は震度5弱、強い所で震度7の地震が発生したことを想定。コミュニティーFM局「ラヂオもりおか」の放送、岩手県が運用する「いわてモバイルメール」からのメール配信、スマートフォンアプリ「ヤフー防災速報」のプッシュ通知を合図に訓練を開始する。
訓練中、参加者は自分がいるその場所で約1分間、安全確保行動を実践する。「まず低く(ドロップ)」=地震の揺れで倒れる前に体勢を低くして地面に近づく。「頭を守り(カバー)」=固定された机などの下に入る。もしくは腕や荷物を使って頭を守り、落下物や塀の倒壊、がけ崩れなどの恐れがない安全な場所へ避難する。「動かない(ホールドオン)」=揺れが収まるまで動かない。机などの下にいる場合はその脚をしっかりつかむ。
市ではシェイクアウト前の事前学習や、終了後のプラスワン訓練の実施も推奨している。事前学習は地震災害の特徴や災害時に取るべき行動などの習得、プラスワン訓練は、避難訓練や応急救護訓練、備蓄品・危険箇所の確認、棚などの転倒防止措置、NTT災害用伝言ダイヤル「171」の体験などを例に挙げている。
訓練の前日まで市ウェブサイトの専用フォームなどで参加者の事前登録を受け付けるほか、終了後には参加者向けのアンケートへの協力を呼びかけている。