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菊地凛子さんが盛岡で舞台あいさつ 県内で映画撮影、「盛岡は癒やしの街」

「この作品の旅が長く続くように応援してもらえれば」と呼びかけた菊地さん

「この作品の旅が長く続くように応援してもらえれば」と呼びかけた菊地さん

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 岩手県内でも撮影が行われた映画「658km、陽子の旅」の先行上映と主演の菊地凛子さんの舞台あいさつが7月17日、フォーラム盛岡(盛岡市大通2)で行われた。

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 同作品は、父親の訃報を受けた主人公の陽子が東京から青森県弘前市の実家を目指す一夜の物語。トラブルによって東京から青森までヒッチハイクすることになった陽子が、厳しい現実に傷つき、旅の中で出会う人たちとの交流を通じて後悔を抱え孤立した心を癒やしていく姿を描く。主人公・陽子を菊地さんが演じ、第25回上海国際映画祭コンペティション部門で最優秀女優賞を受賞したほか、同部門で最優秀作品賞と最優秀脚本賞の3冠を獲得している。

 岩手では葛巻町の「道の駅 くずまき高原」で、弘前へ帰る意思を強くした陽子が必死にヒッチハイクの交渉をするという作中でも重要なシーンの撮影が行われた。日没までに撮影を終えるため、現場はかなり緊張感があったという。

 同作の公開を前に、17日から18日にかけて陽子が通った福島・宮城・岩手と目的地の青森で、先行上映と菊地さんによる舞台あいさつが行われた。フォーラム盛岡での舞台あいさつに登壇した菊地さんは、映画のタイトルと東北新幹線の東京~盛岡間の距離にちなんだ「535km、凛子の旅」という司会者のコメントに笑顔を見せた。

 岩手での撮影時に盛岡にも滞在した菊地さん。道中は山間部が多いため、盛岡に到着した際にスタッフを含め「皆で都会に来たと感じていた。東北を旅しながら撮影する中で、私たちにとって盛岡は癒やしの街になった」と振り返り、「コロナ禍での撮影で、集まって食事をすることはできなかったが、それぞれにお気に入りの冷麺を見つけて楽しんだ。今日も盛岡冷麺を食べて帰りたい」とほほ笑んだ。

 菊地さんは来場者からの質問にも答え、弘前市出身の来場者の「陽子の話す津軽弁が自然だった。どのように方言を取得したのか」という質問には、「地元の人がせりふを読んだ音声を何度も聞いた。これまでも役によってさまざまな言語を使うことが多く、慣れていたのもある」と答えた。役作りに関する質問については、「まず脚本を読み込むことはどの作品も同じ。それから陽子のこれまでやこれからについて考えて、『引きこもりがちでコミュニケーションができない陽子なら、どう声を出すか』などをイメージした」と話した。

 来場者に向けて菊地さんは「観客の皆さんがいてこその映画。作品を通じて陽子と一緒に旅をした皆さんが、その旅を持ち帰って次の人へ渡してもらえたらうれしい。この作品の旅が長く続くように応援してもらえれば」と話す。

 同作は7月28日からフォーラム盛岡で上映される。

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