クマの生態などについて知るイベント「クマはかせになろう」が7月9日、盛岡市子ども科学館(盛岡市本宮)で開かれる。
岩手在住の生態学の研究者・専門家による「岩手生態学ネットワーク」と、岩手大学ツキノワグマ研究会との共催で行う同イベント。岩手生態学ネットワークの中に、人間とクマ類との共存を目的に調査や情報交換といった活動を行う「日本クマネットワーク」の会員がいたことなどをきっかけに同館でのイベントを企画し、2019年度に初開催していた。
好評を受け2回目の開催を検討してきたが、新型コロナ禍の影響もあり、なかなかめどが立たなかったという。開催を決めた今年は、偶然にも盛岡を含めて岩手県内でクマの出没が相次ぎ、県は5月26日に7年ぶりとなる「ツキノワグマ出没に関する警報」を県全域に発表した。
盛岡市子ども科学館の担当者・高橋智香子さんは「盛岡でクマの出没が増えたから企画したというわけではないが、ちょうどクマが身近な話題となり、多くの人が興味を持つ分野になっているタイミングに重なった。イベントの目的は、クマについて正しく知ってもらうこと。知っているようで知らないクマの生態や、山から街へ下りてくる理由などを楽しみながら学んでもらいたい」と話す。
当日はツキノワグマとヒグマの毛皮や、頭骨と手足のレプリカ、ふんの樹脂封入標本など、クマについて学ぶための教材を用意。実際に触れながらクマについて学ぶことができる。このほか、クマの生態を解説したパネルや岩手大学ツキノワグマ研究会の活動紹介パネル、クマの写真を展示。実物大のクマのシルエットと背比べができるコーナーも設ける。
会場には岩手生態学ネットワークのメンバーや、岩手大学ツキノワグマ研究会の学生もいるため、専門家から話を聞くことができる。高橋さんは「クマをかわいい動物だという人も、恐ろしい存在だと感じる人もいる。両方とも正しい気持ちだと思うが、生態を知った上で改めて考えてもらいたい。子ども科学館でのイベントだが、大人の皆さんにも学びがある内容になっている。皆さんと一緒に、クマとの共存について考える一日になれば」と呼びかける。
開催時間は10時~15時30分。参加無料だが、展示室への入場料が必要。入場料は、4歳~中学生=100円、高校生以上=200円。