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元テレビ局カメラマンが写真館を開業 一生残る写真で、撮った日を記念日に

イベント撮影会の様子。中央でカメラを構えるのが小川さん(小川さん提供)

イベント撮影会の様子。中央でカメラを構えるのが小川さん(小川さん提供)

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 「もりおか写真館」(盛岡市内丸)が6月3日に開業した。

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 同館を開いた小川祐さんは釜石市出身。テレビ局のカメラマンとして14年間映像撮影に携わってきた。静止画も撮影できるカメラを使っていたことから写真も学び始め、取材で世話になった人を撮影して写真を渡していたことが、写真家を志すきっかけになったという。

 ドキュメンタリーなど人を撮る仕事をメインにしていた小川さん。「取材相手と長く接するうちに、相手が自然な表情になる瞬間に心引かれる自分がいた。その人らしい感情の瞬間や、一瞬の表情を撮りたい、もっと相手の表情を見る仕事がしたいと思っていた」と話す。

 もう一つのきっかけになったのは、東日本大震災での経験。釜石の実家は津波により全壊し、失った家財の中には家族の写真もあった。この経験から、一生残したい写真を手元に置く重要性や、日常の表情を切り取っておく大切さを痛感。本格的に写真の道に進むことを決め、仕事をしながら東京を拠点に活動する写真家・鈴木心さんの下で技術を学んだ。

 「もりおか写真館」という名前は、写真館としての名前ではなく、小川さんの写真家としての活動の全てを指す名前だという。2022年から、公共施設や店舗などのスペースを借りた出張撮影で「もりおか写真館」としての活動を開始。今年4月、現在の場所にスタジオを構えてプレオープンした。

 通りに面したスタジオは日の光が入り、自然光を生かした撮影もできる。背景は被写体の表情が明るく目立つグレーを選んだ。小川さんがこだわるのはシャッターを切るタイミングと、コミュニケーションの材料になる写真を撮ること。小さい子どもが動き出してしまった瞬間や、ポーズが決まり切っていない瞬間など、一般的には失敗とされてしまうような場面もあえて選んでいるという。

 「カメラマンがいて恥ずかしかったり、緊張したりするのは自然なこと。撮影する時に声はかけるけど、無理に笑ってもらうことはしない。緊張の中にその人らしい表情が出ていると思う」と小川さん。「『どうしてこんな顔しているの?』と、写真を見た時に会話につながる写真を撮りたい」と話す。

 現在はスタジオでの撮影のほか、出張撮影やイベント形式の撮影会も続けている。目標は「撮った日が記念日になる写真」を撮影することだという。小川さんは「撮影した後に何度も見返して、何度も話したくなる、一生残したいと思ってもらえる写真を残したい」と意気込む。

 スタジオ撮影はデータ20点・プリント(額付き)1点で3万3,000円、プロフィール撮影はデータ10点・背景2パターンで1万1,000円。予約方法や料金、イベント撮影会の開催などについてはインスタグラムで随時発信する。

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