盛岡商工会議所青年部が4月24日、材木町周辺を徒歩で楽しむための観光マップ「もりおか歩(ホ)っと散歩 材木町編」を盛岡市へ進呈した。
同青年部では、盛岡を深く知るための事業として「もりおか歩っと散歩」と題した会員向けのまち歩き事業を2020年度から実施し、同事業の中で使うマップを作成していた。今回進呈したマップは、盛岡が米国ニューヨーク・タイムズ紙の「2023年に行くべき52カ所」に選出されたことを受け、2022年度の事業で材木町周辺のまち歩きを行った際に作製したマップを観光客向けに再編集したもの。
同青年部会長の藤原英里さんは「青年部でのまち歩きは自分たちが盛岡を知るために始めた。市民は車の利用が中心で街を歩かないし、決まったルートを通ることが多い。一方、旅行者はよく歩く。自分たちが歩いて街を知らないと、外へ発信できない。歩くことで材木町が魅力の詰まったエリアだと再認識できた」と話す。
マップでは盛岡駅から徒歩で散策できる材木町周辺の観光スポットや店舗などを掲載。地域の歴史や文化が分かるスポットや飲食店、トイレが利用できる施設など、それぞれの場所にマークを付け、観光客が目的地を見つけやすいように工夫し、表紙にはスマートフォンアプリを通じて英語版のマップが閲覧できるQRコードも加えた。
駅を出発地点として、往復約1時間で巡ることができる4つの観光ルートも紹介している。再編集に当たり、新たに加えたキャッチコピーが「新幹線、一本遅らせませんか?」。駅から出発する新幹線が1時間に1本程度あることに加え、材木町周辺は1時間以内で巡ることができることから、新幹線を遅らせて街歩きを楽しんでもらいたいという思いを込めた。
マップは1500部を製作。進呈式では100部を藤原さんから谷藤裕明市長へ手渡した。谷藤市長は「このマップが地域を散策するきっかけとなり、にぎわいにつながることに期待する。『2023年に行くべき52カ所』に選ばれ、観光客も増えてきている。これを今年だけのものにしないよう、盛岡に磨きをかけたい。そのためのアイデアも皆さんからもらいたい」と話した。
藤原さんは「材木町周辺は商人の街でたくさんの店があり、景観も美しく、地域の人の普段の生活と歴史が感じられるエリア。一本遅い時間の新幹線を選んで、散策を楽しんでもらいたい」と呼びかける。
マップは市内の宿泊施設や市役所などへ配布するほか、盛岡商工会議所青年部のウェブサイトで閲覧できる。