岩手県では現在、ウェブサイト上で「牛のペーパークラフト」の無料ダウンロードサービスを行っている。
ペーパークラフトは岩手県に伝わる牛の置物(金べこ)とお面の2種類。いずれも、カラープリンターで印刷してから、展開図に切り取り、組み立てるもの。デザインは担当の県職員が自ら行ったという。
サービス提供は、1月19日の定例記者会見で達増拓也知事が宣言した「うし年は岩手の年!」のPR戦略の一環。丑年を迎えた今年、同じく会見で知事が発表した「黄金の國、いわて MOW MOWプロジェクト」をアピールする。
同プロジェクトは、岩手県が国内でも有数の畜産県であることから、県産の牛肉や乳加工品などのブランド価値の創造を目的にした「う四天王プロジェクト」、生産設備の環境保全とクリーンエネルギー化に関する「ウシコンバレープロジェクト」、牛に関する歴史・文化を背景にした観光振興策「諸国漫牛の旅プロジェクト」の3つを柱に、これまで部署ごとに単独で行われてきた事業をまたぐ形で横断的に連携し、事業の効率化を図るもの。昨年12月中旬に知事が発案し、環境生活部、農林水産部、地域振興部、商工労働観光部などの関連部局が共同し短期間でプロジェクトを組み上げた。プロジェクトは農林水産部を中心に関係団体を巻き込む形で実施する。
同部担当職員は「岩手県は前沢牛はもちろん、短角和牛など全国に誇れるブランド牛がある。干支(えと)にちなんで、県の畜産業を推進していきたい」と話す。「丑年は日本全国どこでも同じだが、この宣言(『うし年は岩手の年!』)はいわば『言った者勝ち』(笑)」とも。
直近では、「安心・安全」をキーワードに県産飼料で育てたプレミアム牛のプロモーションや小岩井乳業との連携したレシピ提案などを行う予定。