「もりおか復興支援センター」(盛岡市内丸)と「復興応援の店 りあすぱーく」(同)で現在、「わたしの復興ぞうきん展」が開かれている。
同展を企画したのは、東日本大震災の被災者支援などを行う一般社団法人「SAVE IWATE」。同法人では、全国から寄せられた支援物資や材料を使って被災者がぞうきんを縫う「復興ぞうきんプロジェクト」を2011(平成24)年4月から続けている。縫い上げたぞうきんは販売し、これまで約200人の被災者が約17万枚のぞうきんを作ってきた。現在も約30人の参加者が、自宅や「もりおか復興支援センター」などで開くサロンに集まりながら活動を続けている。
プロジェクトの開始から12年を迎え、12年間を振り返るとともに、活動の枠を広げるきっかけとして初めての展示を企画した。SAVE IWATEの岩崎友子さんは「復興に向けた活動に加わることができずにいた被災者や、支援をしたい気持ちはあっても行動に踏み出せずにいた人が、『これならできる』とぞうきん作りに参加してくれた。ぞうきんは1人で静かに縫うことができる。1枚のぞうきんが復興の一歩になればと思い、続けてきた」と振り返る。
今回の展示では被災の有無を問わず、これまでプロジェクトを支援してきた人や復興ぞうきんの購入者などへも参加を呼びかけ、県内外から269枚の手縫いぞうきんが集まった。ぞうきんは作り手が思い思いの模様を縫い上げ、中には海の風景や岩手にちなんだデザインもある。参加者には普段から復興ぞうきん作りに取り組む作り手や、震災のことを知らない子どもたちもいる。
ぞうきんは参加者のメッセージと共に展示。メッセージには震災当時や12年間の復興について振り返ったものや、未来に向けた決意、岩手への思いなどが書かれている。「2011年に生まれた子どもが12歳になったというメッセージを呼んで、『ああ、12年って長かったんだな』と感じた」と岩崎さん。「12年なんてあっという間だと思っていたけれど、確かに長い月日がたっている。一枚一枚に参加者それぞれの12年が詰まっていている」と作品を見つめる。
復興ぞうきんプロジェクトでは、現在も活動を支援するサポーターを募っている。岩崎さんは「プロジェクトを通じて生まれたつながりからパワーをもらい、12年間続けられたと感じている。震災については風化も感じるが、『忘れない』という思いを持っていても表に出す機会がない人もいる。復興ぞうきんの活動が何かのきっかけになれば」と来場を呼びかける。
開催時間は10時30分~17時。3月12日まで。