盛岡市内の飲食店など15店舗で現在、大分県のカボスを使ったメニューを提供する「大分かぼすフェア IN 盛岡」が開かれている。
フェア参加店「東家」の「かぼすそば」。女性からの人気が高いという
企画したのはベアレン醸造所(盛岡市北山)。同社では2019年に大分県産のカボスを使ったアルコール飲料「かぼすラードラ―」を発売し、大分との縁が生まれたという。今年5月に発売した発泡酒「ベアレン ザ・デイ ジャパニーズシトラスラガー」にもカボスが使われ、県内外で好評を得ている。
同社の直営レストランでは岩手県産食材を使ったメニューを提供する食材フェアを定期的に開催していたことから、「盛岡の皆さんに大分のカボスを知ってもらいたい」という思いで、大分かぼすフェアを企画。周辺飲食店へと広まり、昨年は16店舗が参加した。
社長の嶌田洋一さんは「大分のカボスを知り、商品に使うためにカボスについて学ぶ中で、レモンとは違った優しい香りや酸味が良いと感じた。おいしい食材で活用の範囲も広い。岩手だとなかなか口にする機会が少ないが、食べてみると岩手の食文化にもマッチする」と話す。
今回はベアレン直営レストラン3店舗のほか、市内の飲食店など15店が参加。カボスをトッピングしたラーメンやそば、アルコールドリンク、マリネなど各店が工夫を凝らしたメニューを提供する。ベアレン醸造所の工場直売所ではカボスも販売している。
9月5日には大分県おおいたブランド推進課の課長・田中秀幸さんなど同課職員が盛岡を訪れ、フェアの参加店へお礼状を手渡した。田中さんは「どのメニューもよく考えられていておいしそう。カボスはビタミンCやクエン酸を豊富に含んでいるが、酸味は優しくて他の食材の味を邪魔しない。岩手の食だと、わんこそばにかけるのも良いと思う」と話す。
今回の取り組みには、地方都市同士が協力し互いの魅力を発信することで地域活性化へつなげる考えもある。田中さんは「この縁が大分でも岩手の食材を紹介するようなきっかけになれば」と話す。嶌田さんは「食材の魅力というのは大都市から見いだされることが多い。そうではなく地方同士で互いの良いものを紹介して、新しい価値を発信していきたい。フェアで提供するメニューの中には皆さんの口に合うものがきっとあるので、好みのものを見つけて」と呼びかける。
9月30日まで。