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盛岡城について探るパネル展始まる 歴史的建造物復元に関する調査活動紹介

盛岡城復元調査推進室の調査活動と発見された資料を紹介するパネル

盛岡城復元調査推進室の調査活動と発見された資料を紹介するパネル

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 もりおか歴史文化館(盛岡市内丸)1階 祭り展示室で現在、盛岡城復元調査推進室によるパネル展「盛岡城 そのたたずまいを探る」が開かれている。

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 盛岡市は本年度から「盛岡城復元調査推進室」を設置し、史跡・盛岡城の歴史的建造物復元に資する史資料の調査・研究を本格的に進めている。今回の展示では、同室の調査によって発見された資料と同室の調査活動を紹介する。

 盛岡城は1874(明治7)年に払い下げられ、約150年経過した現在、盛岡城に関する歴史的な史資料はさまざまな場所へ伝わっている。同室では、払い下げ以前の姿や、かつて存在していた建物の詳細を探るため、盛岡城に関連する史資料や関係すると伝わる建物などの調査を行っている。市民の協力の下、古い蔵に所蔵されている品物や建物を調べているが、復元の根拠となるような写真や絵図、立面図のような資料は発見されていない。

 今回の展示ではこれまでの調査で見つかった盛岡城に関係する新たな史資料や、盛岡の歴史を語る上で貴重な資料を所有者の協力の下、パネルで紹介。絵図、図面、古文書、写真など約20点を取り上げる。

 紹介する資料の中には、盛岡城が描かれている絵巻や絵図のほか、本丸・二ノ丸の建物の間取りが分かる平面図の控えもある。平面図の控えは個人宅から見つかったという。同室の菊池祥宏さんは「こういった平面図は、盛岡藩に関する資料を収蔵する『もりおか歴史文化館』にも同様のものがある。なぜ控えが民間にあるのかというのがポイント。ここから分かるのは、盛岡城に関する資料が皆さんの身近な場所にあるかもしれないということ」と話す。

 盛岡城の内部について推測できる資料の一つが、城で使われていたと伝わる板戸の写真。市内の光台寺と紫波町の正音寺で撮影したもので、板戸に描かれた画題からは内装について、板戸の大きさからはかもいの高さなど建物内の構造に関わる点も読み取れる。

 展示には現在の盛岡城跡の空撮や、城跡で行われた発掘調査についての報告も並ぶ。終わりのパネルには、市民に向けて情報提供を呼びかけるメッセージを添えた。

 「盛岡城の復元については、する・しないを含めてさまざまな議論が交わされている」と菊池さん。「盛岡城に関する資料は議論の土台になる。この先の未来、城を復元しようとなった時に根拠がなく、ぞんざいなものにはできない。そのためにも展示を通じて調査に興味を持ってもらい、皆さんの身近な場所に資料がないか探してみてもらえれば」と呼びかける。

 開館時間は9時~19時(受け付けは18時30分まで)。入場無料。10月17日まで。

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