盛岡市を拠点に活動するデザイン事務所「homesickdesign(ホームシックデザイン)」による展覧会「ほどく!homesickdesign展」が現在、「Cyg art gallery(シグ アートギャラリー)」(菜園1)で開催されている。
同社による展覧会は昨年に引き続き今回が2回目。昨年は同社が手がけた仕事を一堂に集め、「目で見て分かる展示」とした。今年は「ほどく!」をテーマに、同社が手がけた仕事を企画立案から完成までの過程を解説と共に展示する。
同展のキュレーションと編集を担当するギャラリー部の佐藤拓実さんは「テーマの『ほどく』を漢字にすると『解く』。私たちの仕事について解説するという意味もそうだが、デザインへの誤解を解く、クライアントが抱える問題や課題をデザインによって解決する、といった意味を込めている」と話す。
今回は同社が手がけた10の案件を紹介。案件ごとに、仕事のジャンル、依頼の内容、デザインやプランニングの過程などを文章で解説するシートと、完成したものを並べて展示する。仕事のジャンルはロゴやパッケージ、チラシのデザインといった目で見て分かりやすいものから、プロジェクト全体を監督するディレクションなど多岐にわたる。
一つの案件につき、会場を埋め尽くすほどの資料があるという。「どれも見せたいものばかり。苦渋の選択だった」と佐藤さん。完成したデザインだけではなく、制作途中で生まれるラフやモックアップも展示することで仕事の流れを見せる工夫をしている。このほか、同社に所属するクリエーターとその役割などを解説するシートも用意し、デザインの専門的な部分を分かりやすく伝える。
5月29日には、クライアントをゲストに迎え、デザイナーやディレクターが制作過程や裏話を話すギャラリートークを開催予定。ゲストは13時からは三田農林、14時からは盛岡しょうが市実行委員会、15時からは岩手町石神の丘。定員は30人。参加無料。
佐藤さんは「見栄えよくするということだけがデザインではない。ホームシックデザインが考えるデザインはこういうものであるということを伝えたい展示。デザインって何?と思っている人にも足を運んでもらいたい。皆さんの周りにある物事が、こういう過程を経て生まれていることを知ってもらい、少しでもデザインが身近になるきっかけになれば」と呼びかける。
開館時間は10時~18時30分。入場無料。6月1日まで。