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「クラムボン」マスター・故高橋正明さん作品展 「ねこ町」の世界楽しんで

画集や企画展のポスターなどにも使われている「ねこ町」(手前)。2006(平成18)年ごろの作品

画集や企画展のポスターなどにも使われている「ねこ町」(手前)。2006(平成18)年ごろの作品

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 もりおか啄木・賢治青春館(盛岡市中ノ橋通1)で現在、第94回企画展「ねこ町のクラムボン 高橋正明作品展」が行われている。

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 高橋さんは、市内の老舗コーヒー店「クラムボン」(紺屋町)の元マスター。常連客から慕われ、2019(平成31)年1月1日に亡くなった際には多くの人がその死を惜しんだ。

 「クラムボン」では毎年、猫に関する絵画などを展示する参加型作品展「ねこ展」を開いている。高橋さん自身も同展に合わせて猫の絵を描いていた。2018(平成30)年3月には同展で展示した作品を中心にした画集「ねこ町のクラムボン」を発行しているほか、10月には画家の飯坂真紀さんと共に作品展も行った。

 飯坂さんは高橋さんの画集の発行と今回の企画展の企画にも関わっている。高橋さんが店を開く前から交流があり、「クラムボン」でアルバイトとして働いたこともあるという。「ねこ展」にも参加していた。「高橋さんの作品を見続けているうちに、高橋さんはアーティストなのかもしれないと思い始めていた」と飯坂さん。「年に1回の『ねこ展』だけでは魅力が伝わらないと感じて、何点か並べてみたらどうだろうかと思い、個展を開いてはどうかと何度も提案していたが、高橋さんには『とんでもない』と断られ続けていた」と振り返る。

 2018(平成30)年に開いた作品展は期間を延長するほどの好評を得ていたが、見損ねたという人も多かったという。そこで飯坂さんは「この作品展を何とかもう一度、今度は長期間で開きたい」と考えていた。そこで自身も作品展を開いたことがある「もりおか啄木・賢治青春館」に企画を持ち込み、同館も快く受け入れた。

 企画展では54作品の絵画のほか、高橋さんが好んでいた音楽や書籍、画材、仕事の道具なども展示する。「ねこ町」は高橋さんの造語。猫が大好きだという高橋さんの絵は、飼い猫や野良猫たちから想像を膨らませ、猫たちが街の中に現れたり、自由に夜空を飛びまわったりしている。企画展には「クラムボン」や高橋さんのファンも訪れ、展示を見た後に店へ向かう人も多いという。

 飯坂さんは「高橋さんの作品には、店がある紺屋町の街並みもよく登場するが、ファンタジックですてきな街になって描かれている。広い会場でゆっくり、より多くの人に見てもらいたい」と呼びかける。

 開館時間は10時~17時。第2火曜休館。入場無料。7月10日まで。

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