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盛岡の旅行会社が「ナイトツアー」企画 民間業者と協力、新たな観光を提案

「旅本」を眺めながらディナーを待つことも

「旅本」を眺めながらディナーを待つことも

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 旅行会社「トラベル・リンク」(盛岡市大通3)が現在、岩手県が行う「いわて旅応援プロジェクト」を活用した日帰りツアー企画「盛岡ナイトツアー」を販売している。

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 「いわて旅応援プロジェクト」は、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける県内観光事業者への支援を目的とし、県民の旅行費の一部を補助するもの。同社では今年6月から8月にかけて「いわて旅応援プロジェクト」の対象となる日帰りツアーを企画。市内のそば店と協力し、わんこそばと街歩きを楽しむ内容となっていた。

 最初に企画したツアーの参加状況から見えてきたのは、「いわて旅応援プロジェクト」を利用したくても旅行をするのが難しい人の存在や、プロジェクトが観光事業者の支援にはなる一方で地元飲食店や小売店などの利用につながっていない状況だった。そこで今回は市内の飲食店などと連携し、より気軽に利用でき、コロナ禍に苦しむ地域事業者の応援にもつながるプランを企画した。

 同社の北田公子さんは「『いわて旅応援プロジェクト』は日帰り旅行も対象だが、宿泊利用がメインになっている。泊まりがけの旅行をするのにスケジュールの確保が難しい人も多い。そこで思い付いたのが、仕事帰りにも利用できるナイトツアー。旅行を応援してもらったので、今度はわれわれ旅行業者が飲食店や小売店、交通事業者を応援しようという思いも込めている」と話す。

 「盛岡ナイトツアー」に協力するのは、「CHATONS(シャトン)」「Nuef du Pape(ヌッフデュパプ)」「イタリアンレストランotto(おっと)」「東北ブラッスリー トレジオン ルリエ」の4つの飲食店と、市内の書店「さわや書店」と「ヒノヤタクシー」。各飲食店でディナーが楽しめるほか、タクシーの1時間貸し切りと書店員が選ぶ旅に関する本「旅本」がセットになっている。

 ツアーの利用者は当日夕刻までに「トラベル・リンク」で受け付け手続きを行い、ディナーの前にさわや書店で書店員お薦めの「旅本」1人1冊選んで受け取る。本を進呈するアイデアは、盛岡が「本の街」と呼ばれていることや、旅に関する本を手に取る機会が減っていることから着想を得た。小説やエッセイなど幅広いジャンルの本を用意しているという。

 その後、予約時間に合わせて希望の飲食店に移動。各店舗で地域食材を生かし、盛岡にいながら旅気分を味わえる「旅ディナー」を楽しむ。食事後は貸し切りタクシーに乗り、岩山展望台などで盛岡の夜景を鑑賞。貸し切りは飲食店出発から1時間で、時間内であれば夜景観賞後に市内の自宅や宿泊先など希望の場所に向かうことも可能となっている。

 今回のような小規模なツアーの実施には、これまでになかった企画を実験的に行えるメリットもあるという。「ナイトツアー」も今後、盛岡に旅行に来た人が現地で楽しめるプランとして生かしていく考えがある。

 北田さんは「参加しやすい価格設定と内容にこだわったプラン。パートナーや友人、仕事仲間と一緒に盛岡の夜を満喫してもらえればうれしい。地元にいながら少しでも異国感や非日常感を味わって」と呼び掛ける。

 旅行代金はディナー(2ドリンク付き)・旅本・小型貸し切りタクシー1時間利用を含み、1人5,000円~。催行人数は2人から。ツアーの予約は出発日の前日から起算して5日前までトラベル・リンクホームページの予約専用フォームと電話(TEL 019-658-8644、平日10時~17時30分)で受け付ける。実施期間は12月30日まで。販売予定数に達し次第終了。

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