複合インテリジェントビル「マリオス」(盛岡市盛岡駅西通2)の20階・展望室内に「マリオス展望ワークスペース」が10月1日、設置された。
同ビルを運営する「盛岡地域交流センター」がコワーキングスペースを有償提供する実証実験事業として設置。昨年8月までレストランが営業していた場所を利活用し、アフターコロナを見据えたオフィスニーズの把握などを目的に事業に取り組んでいる。
ワークスペースの提供についてもコロナ禍から生まれた発想だという。同ビルにはオフィスが入居し、入居者の中には在宅勤務となる人も多かった。その一方、自宅に仕事ができる環境がなく、自宅以外の場所が求められている。そこで、思い付いたのがビル館内にワークスペースを設置するアイデアだった。
現在ワークスペースとなっている場所は、レストランの閉店後、「盛岡地域交流センター」の職員が打ち合わせなどで使用することがあり、その中で「こういう場所が欲しい」という声も出ていたという。ビル館内には会議室もあり、オフィス用の備品もそろっていたことから、ワークスペースの試験運用を始めた。
座席は感染症対策のため間隔を取り、1人用区画と2人~4人用のテーブル区画を用意。展望室の一角に設けられたワークスペースは大きな窓に囲まれ、どの席からも盛岡の街を一望できる。晴れた日には岩手山の美しい姿が楽しめるという。担当者は「他のワークスペースにはない魅力は何といってもこの眺望。盛岡の景色を見ながら、開放的な空間で仕事ができるのはマリオスならでは」と話す。
展望室は一般利用客も訪れるが、展望室側の声が届きづらいように音楽を流すプライバシースピーカーを導入。マスキング音を流すことで、ワークスペース側の会話の内容も分かりづらくなる。電源コードとWi-Fiも利用可能。
ビルの入居者や市民のほか、駅が近い環境から出張などで県外から訪れる利用者も見込む。実際に初めての利用者は出張中の人だったという。試験的運用の側面も強く、今回は半年間だけの設置だが、反響次第では継続も検討していく予定。設備に関しても利用者の声を取り入れながら改善していく。
担当者は「閉塞(へいそく)感がなく、景色を見て息抜きをしながら仕事ができる空間になっている。山並みや川、駅に入って来る新幹線、人々が暮らす街、展望室に遊びに来る皆さんの空気、景色や雰囲気を通じて盛岡の日常も感じてもらえると思う。まずはどんな場所か、ふらっと立ち寄ってもらいたい」と呼び掛ける。
利用時間は10時~17時。土曜・日曜・祝日定休。一般利用料金は1人用区画=1時間500円、1日1,000円、2人~4人用区画=1日2,000円。事前予約不要で、利用時に「盛岡地域交流センター」窓口で受け付ける。