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高校生バイヤーが盛岡の商品を紹介 若者に向けて地域で買う選択を提案

探究学習に取り組む高校生たち

探究学習に取り組む高校生たち

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 盛岡市内の百貨店「パルクアベニュー・カワトク」(盛岡市菜園1)の6階エスカレーター前で10月16日と17日、地元の高校生らが薦める商品や開発した特産品を販売する「高校生×まちなか百貨店」が行われる。

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 企画したのは、岩手で活躍する若者を増やす活動に取り組む「ドリーム・シード・プロジェクト」。プロジェクトでは地元の高校生らが地域課題の解決などに取り組む「探究学習」を行っている。その一環で地域経済をテーマとして取り扱い、「これから先、盛岡にいるのか、盛岡を出るのか、盛岡に戻るのか」という内容を地域課題として高校生に投げ掛けたという。

 同時に「普段盛岡の街なかに行くか」と質問したところ、多くの高校生は「行かない」と回答。併せて「盛岡の魅力」について聞くと、なかなか答えが出なかったという。そこで、「魅力についてすぐに思い付かないことが盛岡を出てしまう理由」と仮定し、街なかでフィールドワークを実施。高校生らに「気になったものを何でも写真に撮り投稿すること」「与えられた予算内で街なかで買い物や食事をすること」という課題を与え、自分たちが地域経済に直接関わっていることを意識させた。

 プロジェクトの代表を務める山崎智樹さんは「フィールドワークの中で本を購入する生徒が多かったが、街なかには全国に出店する書店もあれば、昔からある盛岡の書店もあり、コンビニでも本が買える。どこで買えば盛岡にお金が落ちるか、買う場所によってどういう影響があるのかを考えてもらい、地域で買うことを選択肢の一つに入れてもらいたかった」と話す。

 フィールドワークを通じて生まれた「街なかを利用することができれば盛岡を出ない理由になる」「そのために街なかに若者の場所を作り、行く理由を作る」というアイデアが「高校生×まちなか百貨店」につながった。今回は1回目として実証実験の側面もあり、「高校生が若者向けに売れるのか、若者が集まるのか」を検証する。

 参加する高校生は、自分たちが見つけたお薦めの商品を紹介する「高校生バイヤーグループ」と、自分たちが開発した特産品を販売する「特産品開発グループ」に分かれ、接客販売を行う。「バイヤーグループ」がどんな商品を選んだかは「当日までのお楽しみ」だが、食べ物が多いという。商品のディスプレーには会場となる「カワトク」の商品を使い、各売り場で購入できるようにし、百貨店全体への波及につなげる。当日は高校生らが選んだ理由などを話しながら接客も行う。「特産品開発グループ」は昨年開発した盛岡リンゴを使ったケーキなどを数量限定で販売する予定。

 すでに2回目を実施する考えもあり、継続したイベントとしての成長も目指す。山崎さんは「盛岡でも若者の定住や移住、Uターンの促進に力を入れているが、その対象になっているのは大学生以上の若者がほとんど。多くの高校生は大学進学と同時に盛岡を出ていってしまう。その前に、盛岡の街と交流する機会を増やしてほしい。街なかに行かない若者と、若者に来てほしい街なかが互いに手を取って続けていきたいイベント。高校生の可能性にも注目して」と呼び掛ける。

 開催時間は16日=10時~19時、17日=10時~16時。

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