紫波町の町民向け公式アプリ「しわなび」の配信が9月8日、始まった。
同アプリは、デジタルリスク対策事業などを手掛けるIT企業「エルテス」と紫波町によるデジタル分野の公民連携プロジェクトの第1弾としてリリース。同社の菅原貴弘社長は紫波町の出身で、2020年12月に同町と「地域のデジタル化推進に関する包括連携協定」を締結し、今年6月に東京から本店を移転している。
「しわなび」では町民が受けられるさまざまなデジタルサービスを案内し、町からのお知らせや防災情報、住民支援情報などに簡単にアクセスできる。アプリのホーム画面から直接町の公式ホームページにアクセスでき、アプリ一覧画面から町に関するアプリを起動したり、ウェブサイトを開いたりすることもできる。現在は機能を限っているが、今後はアプリを通じて行政手続きができる「バーチャル町役場」を目指してコンテンツの追加を行っていく。
併せて、これからリリースする「お散歩アプリ」とも連動させる予定。「お散歩アプリ」は町内を歩くことでポイントが貯まる仕組みで、町民がなかなか足を運ぶ機会が少ないスポットに訪れるきっかけ作りにも役立てたい考えもある。
公式アプリの開発は包括連携協定時からの取り組みで、今年1月ごろから開発に着手。6月に行った同社の本店移転に関する発表会で町民向けアプリの開発について紹介するとともに紫波町のアプリをモデルに全国の自治体に導入してもらう構想も説明していた。
すでに町民からは「アプリをダウンロードしてみたい」「この機能もアプリにしてほしい」という好意的な声が集まっている。町企画総務部企画課の担当者は「皆さんの声を聞きながらデジタル化を進めていきたい。『やってほしい』『改善してほしい』という声を上げてもらいたい。住民の皆さんの生活向上につながれば」と呼び掛ける。
アプリは各種スマートフォンのアプリストアからダウンロード可能。町民以外も利用できる。