「岩手緊急事態宣言」に伴う盛岡市の要請により、市内施設で全館休館や一部休館が続いている。
岩手緊急事態宣言は、県内での新型コロナウイルス感染症の新規感染者急増を受け、新たな感染を強力に抑え込み、医療提供体制のひっ迫・崩壊を未然に防ぐため、8月12日に発令。期間は直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数が10人未満となるまでとし、9月9日15時発表時点で18.7人となっている。8月20日には新規感染者数が63人と過去最多を記録し、人口10万人当たりの新規感染者数も一時は20人を超えたが、現在、感染者数は減少傾向にある。
達増拓也県知事は9日に発表した知事メッセージの中で、「岩手緊急事態宣言の下、不要不急の外出自粛など、県民の皆さまがそれぞれの立場で対策を強化したことにより、倍々と感染者数が増えるということを回避でき、その結果、感染者の方々には、自宅療養することなく、入院または宿泊療養施設で療養することができている」と話し、県民へ感謝を伝えた。
併せて、人口や社会経済活動が集中している盛岡市内全域を重点対策区域とし、対象となる飲食店などに対して要請していた営業時間の短縮要請については、市内で飲食店を起因とする感染が起きていないことや、病床使用率の急激な上昇が抑えられていることなどを理由に、予定通り9月12日で終了することを決めた。
一方、市内の公共施設や観光施設などでは岩手緊急事態宣言に伴う全館もしくは一部の休館を9月12日までとしていたが、市内の感染状況を踏まえ、市からの要請を受けて26日まで延長した。
昨日、休館の延長を発表した「もりおか歴史文化館」の職員は「休館期間を終えた時点で予定していたイベントもあったが急きょ延期した。企画展も行っていたので、正直なところ影響は大きい。動画配信など休館中でも楽しめるコンテンツ作りをしているので、そちらも楽しんでもらいたい」と話す。
現在、全館もしくは一部休館・利用制限の延長を発表している主要施設は、盛岡市民文化ホール、盛岡劇場・河南公民館、都南文化会館・都南公民館、渋民文化会館・渋民公民館、市立総合プール、盛岡タカヤアリーナ(盛岡市総合アリーナ)、いわぎんスタジアム(盛岡南公園球技場)、盛岡体育館、市営球場、みちのくコカ・コーラボトリングリンク(盛岡市アイスリンク)、プラザおでって、もりおか町家物語館、もりおか歴史文化館、盛岡市先人記念館、盛岡市遺跡の学び館、原敬記念館、盛岡てがみ館、石川啄木記念館など。
施設によっては休館や利用制限の実施期間、内容が異なる。県施設の利用状況については、県公式ホームページ、市施設の利用状況については市公式ホームページに一覧を掲載しているほか、施設ごとに情報発信を行っているため、利用前に最新情報の確認を呼び掛けている。