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ZOOMOの人気者カナダカワウソ「リッキー」釧路へ ファンからは温かい声

木の下からひょこっと顔を出すリッキー(8月31日撮影)盛岡市動物公園ZOOMO提供

木の下からひょこっと顔を出すリッキー(8月31日撮影)盛岡市動物公園ZOOMO提供

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 盛岡市動物公園ZOOMO(ズーモ、盛岡市新庄)は8月28日、釧路市動物園から繁殖のために借り受けていたオスのカナダカワウソ「リッキー」を返還することを発表した。

鼻を寄せ合うカエデ(左)とリッキー(右)盛岡市動物公園ZOOMO提供

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 リッキーは、ZOOMOで飼育している雌のカナダカワウソ「カエデ」のパートナーとして2019年2月23日に来園。同園では、開園時に盛岡の姉妹都市であるカナダ・ビクトリア市から寄贈されたことをきっかけに、カナダカワウソの飼育を継続している。現在までにカエデを含む雌5頭、リッキーを含む雄4頭を飼育し、2014(平成26)年に雄の「カンタ」が亡くなった後、カエデ1頭のみの飼育展示を行っていた。

 カナダカワウソを国内で飼育している動物園や水族館などは少なく、繁殖例も数例しかない。カナダカワウソの繁殖実現を目指しZOOMOへやって来たリッキーはおっとりとした穏やかな性格。一方、パートナーのカエデは活発でおてんば。来園当初はリッキーが同園の大きなプールに苦戦する様子や、元気いっぱいのカエデについていけない時もあったが、現在は2頭の関係性に変化もあり、これまでにない強気な行動を見せることもあるという。

 カナダカワウソ担当の山本祐子さんは「カナダカワウソは集団で暮らすこともあり、よく動いてよく食べる動物。長い間1頭だけだったカエデの元にリッキーが来てくれたおかげで、カワウソらしい生態を見て知ってもらう機会にもなった。リッキーと一緒にいる時の生き生きとしたカエデの様子、おてんばなカエデを受け止める器の大きいリッキー、相性も良く、来園者からも人気の存在」と話す。

 ZOOMOは今後長期リニューアルのため休園することから、高齢のリッキーが長距離の移動に耐えられるうちにと返還を決定。釧路市動物園では雌のチャッピーもリッキーの帰りを待っているという。カナダカワウソは同園の人気者。固定のファンも多い。リッキーの返還が発表されると寂しさと共に感謝を伝える声が集まった。ファンからはリッキーの年齢や釧路にいるチャッピーについて理解を示し、冷静で前向きな言葉や温かいメッセージが届いているという。

 同園では9月26日にリッキーのお別れ会を開催。9月17日から28日までカワウソ舎の隣にメッセージボードと思い出写真ボードを設置し、来園者からのメッセージや写真の提供を受け付ける。

 今後についてはカエデもやや高齢の固体のため、パートナーは迎えずに暮らしていくという。再び1頭になるカエデに対して、心配の声を掛けるファンも少なくない。山本さんは「これからは私たちがカエデと一緒に遊んであげたり、退屈しない工夫をしたりしていく。釧路へ帰るリッキーのこと、そしてZOOMOのカエデのことも引き続き見守ってもらいたい」と呼び掛ける。

 開園時間は9時30分~16時30分。入園料は500円。小中学生・幼児・65歳以上の盛岡市民は無料。水曜・木曜休園(祝日を除く)。

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