盛岡市の無形民俗文化財に指定されている「盛岡八幡宮例大祭(盛岡秋まつり)」の「山車太鼓」を体験できる「山車太鼓親子教室」が9月18日から全5回にわたって開催される。
同イベントは、文化庁による「子供たちのための伝統文化の体験機会回復事業」の一環として、文化庁、伝統文化をつなぐ岩手・盛岡実行委員会、いわてアートサポートセンターが主催。盛岡市、市教育委員会、盛岡観光コンベンション協会の共催で行う。
「子供たちのための伝統文化の体験機会回復事業」は、新型コロナウイルス感染症の影響により地域の祭りなどの中止や規模縮小が続き、子どもたちが伝統文化に触れる機会が減少する中で、伝統芸能の体験・習得の機会を早急に回復させることが目的。市内ではこれまで、子どもたちが茶道や書道、伝統芸能などを体験するイベントを開催し好評を得ている。
「山車太鼓親子教室」もその一連の流れとして企画。盛岡秋まつりは、昨年新型コロナウイルス感染症の影響を受け中止となっている。今年は規模を縮小して開催する予定だが、盛岡山車の市内巡行やパレードは実施しない。盛岡山車に乗って太鼓をたたく太鼓打ちの中で、小太鼓は子どもたちが担当し、主に小学3年生から4年生までが対象となっている。2年連続で山車の巡行が中止になることで、1年しかたたけない子どもや一度もたたけない子どももいるという。
併せて、山車は地域ごとに参加するため、小太鼓をたたく子どもたちも山車が参加する地域の学区に合わせて集まる場合が多い。今回の教室を企画する盛岡観光コンベンション協会では、地域を問わず小太鼓打ちの子どもを受け入れていた。
担当者の玉掛典子さんは「自分が住む地域では山車が出ないから、他校の児童に交ざるのが不安だから、といった理由で諦めたという子どもは多い。その『やってみたい気持ち』の受け皿になりたいという思いもある」と話す。
教室では山車を見たことがない、参加したことがない、太鼓をたたいてみたいといった思いを持つ山車太鼓打ち初心者の小学生から高校生を対象に、5回にわたって山車太鼓のたたき方を学ぶ。教室終了後の12月には成果発表会も行う予定。現在、新型コロナウイルス感染拡大に伴う県独自の緊急事態宣言が出ていることから、今後の状況によっては日程や回数を変更する場合がある。
山車太鼓打ちをきっかけに、成長してから笛や大太鼓、山車の制作に関わる人もいる。玉掛さんは「子どもたちの体験機会をフォローするとともに、来年は出てみよう、今度はこっちをやってみようと参加を続けるきっかけになり、伝統文化の入り口になれば」と呼び掛ける。
日程は9月18日・25日・10月16日・17日・11月20日を予定。参加申し込みは往復はがきに「山車太鼓教室参加希望」と明記の上、住所・参加者氏名・年齢学年・性別・電話番号・小学3年生以下の場合は同伴する保護者の氏名を記入し、盛岡観光コンベンション協会まで郵送する。定員は40人。参加料は子ども1人につき1,000円。応募多数の場合は抽選。9月10日必着。